おかわり6戦連発 日本記録王手、驚異の7番8月7発

[ 2018年8月11日 05:30 ]

パ・リーグ   西武7―3楽天 ( 2018年8月10日    楽天生命パーク )

<楽・西>4回1死一塁、中村が6試合連続ホームランとなる逆転2ランを左中間に放つ(撮影・篠原岳夫)
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 西武の中村剛也内野手(34)が10日、楽天戦の4回に18号2ランを放ち6試合連続本塁打としてパ・リーグ記録に並んだ。逆転の一発で勝利に貢献。前半戦で不振に苦しんだ主砲は後半戦で20戦13発と本領を発揮している。1972年の王貞治(巨人)、86年のバース(阪神)がマークした7試合連続本塁打プロ野球記録 に王手をかけ、11日の同戦で記録に挑む。

 衰えない技術とパワーを見せつけた。1点を追う4回1死一塁。2ストライクと追い込まれたが、中村のバットは塩見の内角高め134キロ直球を左中間席へ見事に運んだ。

 「いろんな球をケアしながらのカウントだったので、本当にうまく打てた」。珍しく自画自賛した一発は、パ・リーグ記録に並ぶ6試合連続本塁打。そしてチームを逆転に導く18号2ランとなり、2位・日本ハムとのゲーム差を5に広げた。

 6度の本塁打王を誇る中村は、今月15日に35歳の誕生日を迎える。17年目の今季は開幕から不振に苦しみ、4月21日のロッテ戦の守備中に左肩を負傷。6月1日に復帰するまで2軍生活を余儀なくされた。それでも7月に8本塁打で復活した。打順は7、8番の下位ながら8月も6戦連発を含む7本塁打と量産。記録的な猛暑でも「暑いのは我慢すればいい」と一時は失速したチームの勢いを、そのバットで取り戻した。

 6戦連発は同じ西武のカブレラらに続き、パで9人目の快挙。その一発は中村にとって「異質」な打球だった。この試合まで今季44安打中、0―2のカウントで左方向へ引っ張った安打はなかった。追い込まれた後は慎重にボールを見極め、逆方向を意識する。この日の左方向への一発は、ボールがよく見えている好調の証だ。

 同じ4回にアベック弾となる両リーグ最速の30号ソロを放った山川は、かつて富士大時代から憧れた中村と同じ型のバットを5本注文。「でも、打撃の形が違うので(使用を)諦めた。中村さんみたいな体のターンができなかった」。体をコマのように回す中村のバットは、リストワーク中心の山川には使いこなせなかったという。この日の一発は、まさにボディーターンで振り切る中村らしさが詰まっていた。

 11日、プロ野球記録の7試合連続本塁打に挑む。86年にバースが「世界の王」に並んで以降、8人が挑戦して届かなかった偉大な記録で「並んでから聞いて。打てなかったらボロクソに叩いてください」と笑みを浮かべた。相手先発は2年前まで同僚の岸で昨季1発、今季も2発を浴びせている。再びアーチを放ち、「伝説」に加わる。 (君島 圭介)

 ▼西武・辻監督(中村について)いいところで2ランを打ってくれた。6試合連続、絶好調だね。

 ≪クリーンアップ以外の打順で7戦連発なら初≫中村(西)が4日の日本ハム戦から6試合連続本塁打。連続試合本塁打のプロ野球記録は72年王(巨)、86年バース(神)の7試合で、パでは04年松中(ダ)以来14年ぶり9人目のリーグタイ、チームでは78年土井、03年カブレラに次ぎ3人目になる。中村は6戦6本塁打全て走者を置いての一発。6戦以上の連続本塁打を記録した打者でソロなしは中村が初めてだ。また、本塁打した試合の先発打順は7番5試合、8番1試合。7番以下で6戦以上の連発は87年ランス(広=7番)、04年阿部(巨=8番)に次いで3人目。クリーンアップ以外の打順で7戦連発なら初めてになるが中村はどうか。

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