日大三、圧倒16点!全国制覇へ吉兆 背番15上野けん引4打点

[ 2018年8月11日 05:30 ]

第100回全国高校野球選手権記念大会第6日・1回戦   日大三16―3折尾愛真 ( 2018年8月10日    甲子園 )

初回1死二、三塁、上野は左越え2点適時三塁打を放つ(撮影・井垣 忠夫)
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 日大三(西東京)が17度目の出場で「最高」の発進だ。折尾愛真(北福岡)との1回戦に16―3で大勝。背番号15の上野隆成外野手(3年)がスタメン抜てきに応えて3安打4打点を記録するなど、打線がつながった。16得点は春夏を通じて同校の甲子園最多タイ記録で、夏はこれまでの14得点を更新。初戦2桁得点は全国優勝した01、11年と同じ吉兆となった。

 15安打に16四死球を絡め、16度もホームを踏んだ。全国優勝した11年以来の夏1勝。小倉全由(まさよし)監督は「うちに打ち過ぎはない。気分良くいけ、という感じ」と意気揚々としていた。

 初回から看板の強力打線が本領を発揮。4連続長短打を含む5安打を集めて、一気に7得点を奪った。3回を終えて10点差がついても、しっかり球を見極め甘い球を叩いた。

 活躍が光ったのは7番・上野だ。初回は3―1と逆転した後、1死一、二塁で打席へ。「思いきりやる。強く振る意識だった」と暴投の後の5球目を芯で捉えた。2者を還す左中間三塁打。相手先発・小野をノックアウトした。

 朝、バスの中で先発出場を言われた。「最初は動揺した」。西東京大会でのスタメンは6試合のうち2試合だけで、準決勝以降は出場がなかったからだ。「左キラー」と小倉監督は呼ぶ。初回の一打は期待通り。3回にも左の下柳から適時打を放った。5回には適時二塁打。3安打4打点の大暴れだった。

 幼稚園の時、わんぱく相撲の大会で優勝。その前年に女子に完敗した悔しさから体を鍛えた成果だった。名門・日大三で立ちはだかったのはベンチ入りの厚い壁。メンバー落ちした昨夏以降、打撃練習の時間も筋力強化に充てるように変えた。秋から背番号15をもらい、冬の間も背筋と胸筋を強化。「春には打球が伸びるようになった」という。今春の東京都大会決勝、国士舘戦でサウスポーから本塁打。「左キラー」の原点だ。トレーニングを増やした頃に45キロだったバーベルは、今では95キロを挙げられる。

 プロ注目の日置主将が1安打1打点にとどまっても、脇役が機能する。昨秋、今春の都大会も制したチームの底力だ。「秋、春、夏と全て勝ったチームが4代ある。99年、09年、11年と今年」と小倉監督。東京での不敗、甲子園初戦2桁得点は11年と全く同じ道を行く。目指すゴールは、一つしかない。 (武本 万里絵)

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