横浜、左腕リレーで完封発進!板川8回0封 及川9回締め

[ 2018年8月10日 05:30 ]

第100回全国高校野球選手権記念大会第5日・1回戦   横浜7―0愛知産大三河 ( 2018年8月9日    甲子園 )

8回無失点の横浜先発・板川(撮影・近藤 大暉)
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 1回戦4試合が行われ、横浜(南神奈川)は愛知産大三河(東愛知)を相手に7―0で快勝。U―18日本代表候補のエース左腕・板川佳矢投手(3年)が8回を4安打無失点と好投し、打っても先制打を含む2安打と投打で活躍した。夏の甲子園初戦で完封勝ちは同校初めて。松坂大輔(現中日)を擁した1998年以来、20年ぶりの優勝へ好発進した。

 背番号1が小さな背中で輝きを放った。エース左腕の板川が8回を4安打無失点。2年生左腕の及川(およかわ)に経験を積ませるために9回のマウンドを譲ったが「無失点にこだわった。まずは楽しんで勝てた。完封リレーできてうれしい」と笑った。

 1メートル73と小柄だが、躍動感あふれるフォームで投げ込む。愛知産大三河は160キロに設定した打撃マシンで打ち込み、地方大会でチーム打率・399を誇る。ただ、最速140キロにも満たない板川にとっては好都合で「対策すればするほど効く」という高校入学以来磨いてきたチェンジアップを多投。「変化球8、直球2」と極端に変化球を増やして翻弄(ほんろう)した。8番打者としても2回1死二、三塁から右翼へ先制の2点三塁打を放ち、自らを助けた。

 本格的に投手を始めたのは中3。しかも軟式だった。横浜では硬式出身のトップ選手がズラリとそろう中でも「軟式出身でも通用する」と力強い。同郷(栃木)で同じ軟式出身だったOBの成瀬(現ヤクルト)の存在も力になった。偶然にも中学時代の担任が同じ先生。「成瀬も不安な気持ちを抱えて横浜に行ったんだよ」と聞き、勇気が持てた。持ち前のタフさと制球力の高さで1年秋からエースに。1学年下に最速152キロを誇るプロ注目の及川が入学してもエースの座を守り続け、U―18代表候補入りするまでに成長した。

 松坂を擁した98年以来の全国制覇に向け、2回戦では昨夏の覇者・花咲徳栄と対戦する。「最大のパフォーマンスを出せば、そう簡単には打たれない。20年ぶりの優勝を狙っている」と板川。その強気な言葉は、マウンド度胸にもつながっている。(松井 いつき)

 ◆板川 佳矢(いたがわ・よしや)2000年(平12)4月8日生まれ、栃木県出身の18歳。小学時代は野木ベアーズで野球をしながら、サッカーもやっていた。野木中軟式野球部を経て、横浜に進学。1年秋からベンチ入り。好きな言葉は「逆境おもしろし」。1メートル73、70キロ。左投げ左打ち。

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