巨人・阿部 ミスターにエールV弾「一日でも早く元気になって」

[ 2018年8月9日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人3―1阪神 ( 2018年8月8日    東京D )

<巨・神>初回2死二、三塁、阿部は右越えに先制3ランを放つ(投手・才木)(撮影・大森 寛明)
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 巨人・阿部慎之助内野手(39)が約2カ月ぶりに先発出場した8日の阪神戦で、初回に6号決勝3ランを放った。阪神の19歳・才木からの一撃で、本塁打を打った相手投手の数は歴代最多のタフィ・ローズにあと1に迫る通算227人。入院していることが明らかになった長嶋茂雄終身名誉監督(82)に届ける一発にもなった。

 入団1年目、阿部を正捕手に抜てきしたのが当時の長嶋監督だった。恩師の入院が明らかになった日。18年間で、積み重ねた本塁打数を394本に伸ばした。

 「一日でも早く元気になってほしい。自分たちはグラウンドで頑張っている姿を見せるしかない」。6月17日以来、約2カ月ぶりの先発出場。球場入り後に決まり、39歳でも「心拍数が上がった。緊張した」と笑う。スタメンは試合前時点で17試合だけだった。

 初回2死二、三塁。「代打のつもりでいった」と言う第1打席だ。試合中、ベンチ裏に何度も下がってはバットを振って準備する日々。一撃に懸ける思いがあった。才木の外角直球を右翼席中段に放り込んだ。先制の6号3ラン。代打では14打点を挙げ、6本塁打は全て先発時にマーク。「一打席一打席、区切っていけているのが好結果につながっている」と両方で好成績を残している。

 かつて長嶋氏の存在の大きさを語ったことがある。生え抜きの大卒選手では、長嶋氏以来2人目の2000安打達成を目前にし「ヒット数、本塁打数を抜かしたわけではないし、抜かしたところで人間的な大きさは抜かせない」と言った。球団23年ぶりの開幕スタメン新人捕手に抜てきしてもらったのは01年。当時のヘッドコーチ・原辰徳氏、4番だった松井秀喜氏もテレビのゲスト解説で見守った。

 久々の2打席目。右足を上げた瞬間に左足がつり「体がビックリして」と笑った。お立ち台では「最高です」を2度繰り返し、最後は「台風が来ているので気をつけて帰ってください」と言った。長嶋氏と同じ「言葉の力」を持つ阿部らしい締め方だった。 (神田 佑)

 ▼巨人・高橋監督 詳しいことは分かりませんが、また球場に来て、僕ら全員にゲキを飛ばしていただきたい。来られたときはいつも監督室で声を掛けてくださる。早く来ていただきたいです。

 ▼巨人・吉川光(6回3安打無失点で5勝目)先制点を取ってもらえた中、それを守るんじゃなくしっかり攻めていけた。

 ▼巨人・岡本(今季初の左翼での先発出場で、初回2死一塁で左中間二塁打。阿部の3ランにつなげ)良かったです。

 ≪227人斬り 歴代最多あと1≫阿部(巨)が初回に先制の6号3ラン。才木(神)からは初アーチで阿部が本塁打した投手は227人目。金本(神=226人)を抜いて歴代単独2位とし、最多記録のローズ(オ=228人)にあと1人に迫った。昨年はシーズン15本塁打のうち、初本塁打したのは7人だったが、今季は6本中5人が初本塁打投手だ。

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