星野氏の遺志受け継ぐ 阪神、兵庫県下全小学校に ティーボール用具寄贈へ

[ 2018年8月3日 09:30 ]

今年1月死去した星野仙一氏
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 「闘将の遺志」を継承する。阪神がフランチャイズ地域とする兵庫県下760以上の全小学校に、ティーボール用具を寄贈する方針であることが2日、分かった。1月に他界した星野仙一氏(享年70)が生前に力を注いだティーボール普及活動、野球振興活動を球団を挙げて受け継ぐ構え。3月の同氏の追悼試合で着用したユニホームのチャリティーオークションで得た収益に加え、球団が不足分の資金を提供する。

 阪神の球団幹部は「星野さんの思いを阪神も球団として受け継ぎ、取り組んでいこうということです」と言葉に力を込めた。

 すでにメーカーに発注済みで8月中に全校への配布を完了する方向。その費用は3月10日に開催された星野仙一氏の追悼試合(対中日)で監督、全選手が着用した背番号77のユニホームをチャリティーオークションにかけて得た収益を活用し、不足分は球団が負担する。

 ティーボールとは野球、ソフトボールに酷似した球技で、最大の違いは投手がいない点だ。打者が本塁後方に置かれたティーに乗せられたボールを打ち、試合が動く。またプレー人数も違い、守備陣は内野手6人、外野手4人の計10人態勢。使用する球が柔らかいため素手でプレーする。

 野球、ソフトボールに比べて安全かつ難易度も低いため、老若男女が楽しめる。別の球団幹部が「小学校では近年、再び“ベースボール型授業”が復活して、野球的な競技も教えています。ティーボールも野球への入り口として、格好のものになると考えています」と話したように、近年では小学生の中学年以上向けの学習指導要領にも記載されている。“ベースボール型授業”の普及は、将来的な野球競技者の底辺拡大にも、つながるに違いない。

 日本ティーボール協会の理念は「すべての人にベースボール型競技を」――。星野氏は特に肢体不自由児へのティーボール普及活動に尽力し、地元・岡山で開催されている「星野仙一杯争奪 西日本肢体不自由児ティーボール交歓大会」の大会会長も務めていた。猛虎も「闘将」の遺志を受け継ぎ、球界の発展に協力を惜しまない。

 グラウンド外で「闘将の遺志」を継承する阪神だが、金本監督が率いるチームは1日で自力優勝の可能性が復活したとはいえ、もっか借金8の単独最下位に沈んでいる。もちろんグラウンド内でも「闘将イズム」を前面に出し、巻き返しを図っていく。

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2018年8月3日のニュース