ソフトB大竹、史上初育成新人プロ初登板初先発勝利 卒論テーマを自ら証明

[ 2018年8月2日 08:20 ]

パ・リーグ   ソフトバンク14―6西武 ( 2018年8月1日    メットライフD )

力投する先発の大竹(撮影・森沢裕)
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 7月30日に支配下登録されたばかりのソフトバンクの育成ドラフト4位・大竹耕太郎投手(23)が1日、西武戦に先発し、8回5安打2失点でプロ初登板初先発勝利を挙げた。育成ドラフト出身ルーキーとしては史上初の快挙。チームを再び勝率5割に導いた左腕は、千賀、石川らに続く「育成の星」として球界を代表する投手を目指す。

 思わず、本音がこぼれた。ウイニングボールを手にした大竹は「本当は夢の中じゃないかなと。起きたら寮のベッドかな」。育成ドラフト出身の投手では史上初となる快挙に、自身が一番驚いた。

 初回、山川に一発を浴びたが慌てない。インステップ気味に右足を踏み出し、内外角に投げ分けた。直球の最速は142キロながら、ツーシーム、チェンジアップ、カーブを駆使。強打の西武打線を8回5安打2失点。2併殺を奪うなど、内野ゴロは12個を数えた。「(チェンジアップは)楽天の辛島さん、塩見さんの投球をイメージした」と振り返った。

 3年前の8月には、現在の姿は想像できなかった。当時は早大2年生。右膝を痛め「人生で経験がないくらい、ストライクが入らなくなった」とフォームを見失った。先輩や仲間、周囲のサポートで復活し、育成ドラフト4位指名で憧れのプロの世界に飛び込んだ。

 グラブには「支配下登録」と刺しゅう。疲労がたまる梅雨の時季、夏場にかけてウエートトレを週に4回程度こなした。「体重はそんなに変わってないですけど、体が全然違います」。上半身、下半身を交互に鍛え、支配下昇格のチャンスを待った。登録期限の7月に入っても「今年中に上がれればとは思っているけど、ダメならすぐ来年に向けてやります」とブレなかった。

 103球中、ストライクは69球。球威がなくても逃げない。89試合目で今季初めて左腕投手を先発マウンドに送った工藤監督も「プロで何年もやっているような、落ち着いたマウンドさばきだった」と称えた。早大での卒論テーマ「緩急を使った投球は打ちにくいのか」を、大竹はプロの世界で証明した。「誰よりも練習してきた。今日の投球に満足せず、これからも取り組んでいきたい」。観戦した母と姉の前で、プロとしての第一歩を大きく踏み出した。(川島 毅洋)

 【大竹 耕太郎(おおたけ・こうたろう)】

 ★生まれ、サイズなど 1995年(平7)6月29日生まれ、熊本県出身の23歳。1メートル84、78キロ。左投げ左打ち。家族は両親と姉。

 ★球歴 田迎小4年から野球を始め、託麻中では軟式野球部で、3年時に全国大会出場。済々黌では2年夏、3年春に甲子園出場。早大では東京六大学リーグで11勝10敗、防御率2・86。17年育成ドラフト4位でソフトバンク入り。2軍では22試合に登板し8勝0敗1セーブ、防御率1・87。

 ★持ち球 直球、カーブ、スライダー、チェンジアップ、ツーシーム、フォーク。

 ★好きな言葉 「柔よく剛を制す」

 ★好物 ギョーザ。「味はもちろん、栄養面でも素晴らしい」。苦手な食べ物はじゃがいも。

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