実績も実力も人望もあった村田 立ちはだかった12球団「若手育成優先」方針

[ 2018年8月1日 08:10 ]

5月12日、栃木と巨人3軍の交流戦で代打逆転2ランを放ち、お立ち台で歓声に応える栃木の村田
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 ユニホーム組に愛され、背広組にはそっぽを向かれたのか。村田修一獲得に名乗りを上げる球団は現れなかった。

 7月25日の武蔵戦。打席真裏の記者席で聞いた激しい打球音が、今も名残惜しさをかき立てる。元プロも多数顔を並べる独立リーグにおいて、段違いだった。この試合、3試合連続本塁打を含む3安打4打点。間違いなく通用する。もう一度、日本プロ野球(NPB)の打席で見たかった。

 無骨で言葉足らず。でも誰よりも面倒見がいい。プレースタイル同様に広いふところで、同年代や年下からは本当に慕われた。DeNA・筒香、巨人・坂本、長野ら。日大で同期だったヤクルト・館山や、巨人時代の同僚の日本ハム・実松は、わざわざ独立リーグの北関東の会場まで足を運んだ。プロ野球と比べて恵まれない環境で頑張る栃木の同僚たちへと、差し入れも多数届いた。みんなNPB復帰を願っていた。

 若返り――。各球団共通のキーワードが、今年38歳となる村田の前に立ちはだかった。確かに計算できるベテランに頼れば、若手のプレー機会を奪う。実戦こそ最高の育成の場であるのも確か。どのチームも明確なビジョンを持ち、長期的視野に立って構想を練る。

 一方で条件面は「1軍最低保障でも構わない」と公言し、待ち続けた歴戦の猛者に頼る手はなかったのか。セ、パともにプレーオフ進出争いが混戦の今だからこそ、目の前の1勝のための選択肢は多いにこしたことはないはずなのだが。

 補強期限の31日が迫り、ネット上には各球団ファンからの村田獲得を願う生の声があふれていた。WBCや五輪など多くの国際大会も経験したプロ野球界の功労者が、まだ力を残し燃え尽きることなくユニホームを脱ぐ。ファンの目にはプロ野球チームの器量も問われているように映る。(後藤 茂樹)

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