【東東京】二松学舎大付 逆転連覇!背番号10のエース岸川 流れ呼んだ5回零封救援 

[ 2018年7月30日 05:30 ]

第100回全国高校野球選手権記念東東京大会 決勝   二松学舎大付6―3小山台 ( 2018年7月29日    神宮 )

<二松学舎大付・都小山台>優勝し、喜びを爆発させる二松学舎大付ナイン(撮影・近藤 大暉)
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 目が潤んだ。優勝監督インタビュー。二松学舎大付の岸川は、市原勝人監督の「うちのエース。一番いい場面で使いたかった」という言葉を聞き「本当にうれしかった。涙が出てきた」と言った。

 外野席が開放され、2万6000人の大観衆が神宮に押し寄せた。都小山台の大金星を期待する大声援。異様な雰囲気の中で、岸川は1点ビハインドの5回に救援した。背番号10の右腕は「人生で一番気合が入った」という。思い切り腕を振った。自己最速にあと1キロに迫る145キロの直球を主体に2三振を奪い、3人で片付けた。流れが変わった。その裏、8番・山田の適時内野安打などで2点を奪い、逆転した。岸川は8回無死一、二塁のピンチでも「絶対に抑える」とギアを上げ、後続を断った。5回5安打無失点で2年連続の甲子園に導いた。

 3年ではただ一人の投手だが、背番号1を背負ったことはない。「素質はあるが、気持ちの面が弱かった」と市原監督。1年秋からベンチに入り、次期エースとして期待された。しかし、ピンチになると腕が振れなくなる。昨夏は19番でベンチに入ったが、18人しか入れない甲子園ではスタンドで応援した。「あの悔しさが忘れられなかった」。自分を見つめ直した。昨冬、市原監督の面談は5時間にも及んだ。「強い気持ちを持って、ポジティブに考えられるようになった」。生まれ変わった。強いハートで仲間の窮地を救った。

 「甲子園でも自信のある真っすぐを投げ込みたい」。その言葉は自信に満ちあふれていた。 (福井 亮太)

 ◆岸川 海(きしかわ・かい)2000年(平12)5月19日生まれ、東京都出身の18歳。小6時に東京ヤクルトスワローズジュニアに所属。中学時代は調布シニアでプレー。二松学舎大付では1年秋から背番号18でベンチ入り。2年秋には最速146キロをマーク。1メートル77、78キロ。右投げ右打ち。家族は両親と妹。

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