天国の祖母にささげた ハム堀 プロ初勝利 記念球は「実家に送りたい」

[ 2018年7月29日 05:30 ]

パ・リーグ   日本ハム3―0オリックス ( 2018年7月28日    札幌D )

<日・オ>6回途中無失点でプロ初勝利を飾った堀(撮影・高橋茂夫)
Photo By スポニチ

 日本ハムの堀が、天国の祖母へプロ初勝利をささげた。満員の4万1138人の温かい声援が降り注ぐ本拠でのお立ち台。ウイニングボールをどうするかと問われた20歳左腕は「実家に送りたい」と迷わず答えた。

 今季初登板。昨年9月以来、プロ2度目の先発マウンドで5回1/3を堂々の2安打零封だ。5回は失策絡みで2死満塁のピンチ。マウンドに来た吉井投手コーチから「深呼吸を1回しておけ」と言われると「円陣の中で1人だけ深呼吸するのは恥ずかしいと思った」と、普段はポーカーフェースの左腕がふっと笑顔をのぞかせた。肩の力が抜けたところで大城を直球で詰まらせて遊ゴロに打ち取った。

 常に頭の中にあるのは祖母の存在だ。鎌ケ谷に帰寮する直前の1月7日。年末から体調を崩していた幸枝さんが間質性肺炎のため74歳で急逝。幼少期はともに自宅で暮らし、よくお小遣いをもらうなどおばあちゃんが大好きだった堀は、最期を見届け、急な別れに涙に暮れた。帰寮する日を1日延ばして出席した葬儀では、棺に「おばあちゃんに持って行ってほしい」と昨秋選出された侍ジャパンで着用したユニホームを入れてお別れ。号泣しながら、登板する試合はいつもテレビの前で応援してくれていた祖母に活躍を誓った。

 栗山監督が「ボールの質は素敵」と褒める高卒2年目の好投で、試合がなかった首位・西武とのゲーム差を2に縮めた。「今後はどこで投げるか分からないけど、チームの勝ちに貢献したい」。出現した新星が、首位奪取を狙うチームをさらに加速させた。 (東尾 洋樹)

 ▼堀の父・義和さん(広島県呉市内で観戦)2日前に「若いんじゃけえ、思い切り暴れてこいよ」とLINEしたら「分かった」と返事が来ました。体つきががっちりしてきましたね。1勝はしたかったと思うので、良かったです。

 ≪堀 瑞輝(ほり・みずき)≫

 ☆生まれとサイズ 1998年(平10)5月10日生まれ、広島県呉市出身の20歳。1メートル77、80キロ。左投げ左打ち。

 ☆球歴 小2から野球を始め、昭和中から広島新庄へ。2、3年時に夏の甲子園に連続出場した。3年時は侍ジャパン高校代表としてU―18アジア選手権制覇。16年ドラフトで田中正義(ソフトバンク)、佐々木千隼(ロッテ)の外れ外れ1位で日本ハム入り。

 ☆1年目 8月9日楽天戦で中継ぎでデビュー。プロ初先発は9月29日の同戦で、藤平とパ33年ぶりの高卒新人投手の先発対決になった。オフに侍ジャパン入りし、アジアチャンピオンシップ出場。第1戦の韓国戦で8番手で1/3回を抑えて勝利投手。

 ☆球種 最速は高校時代に記録した150キロ。変化球は縦横のスライダーとチェンジアップ。

 ☆趣味 映画観賞。最近見たのは自動車競技「ラリー」を描いた東出昌大らが出演する「オーバードライブ」。「一人映画も全然平気」。

続きを表示

この記事のフォト

「大谷翔平」特集記事

「始球式」特集記事

2018年7月29日のニュース