【広島】広陵 サヨナラ23度目V 中井監督 父の月命日に祈った“親父、勝たせえや”

[ 2018年7月29日 05:30 ]

第100回全国高校野球選手権記念広島大会決勝   広陵5―4広島新庄 ( 2018年7月28日    尾道市びんご運動公園 )

<広陵・広島新庄>10回、広陵・藤井のサヨナラ打で広島大会を制し、喜びを爆発させる広陵ナイン(撮影・坂田 高浩)
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広陵の7番・藤井は中井哲之監督からの「おまえはチャンスに強いんやから、思い切っていこう」との助言で覚悟を決めた。4―4の延長10回2死二塁。1ストライクから、広島新庄の先発・桑田のスライダーを拾うと、中前への飛球は中堅・河内恭のダイビングよりも先に地面に落ちた。

 「“落ちろ!”と思っていました。誰よりも強い気持ちでいきました」

 2年生の藤井は守備で痛恨の失策を犯していた。3―3の4回2死一塁で中前のゴロを後逸。勝ち越しとなる生還を許した。「自分が返してやろうと思っていました」。8回2死一、二塁でも同点中前打。逆境をはね返す強い心を備えていた。

 2回までに3点を失い、中井監督は“親父、勝たせえや”と心の中で祈った。実父・千之(ちゆき)さんを今年3月28日に肺炎で亡くした。78歳だった。生前、父から「おまえは他人の子供を預かってるんやから、俺の葬式には来るな」と告げられた。それでも、選手に許可を得て葬式に向かった。決勝戦のこの日は月命日。「僕の野球人生は父の影響が大きかった。男としての生き方を教えてくれた」と天を見上げた。

 西日本豪雨で甚大な被害が出た広島。広陵の寮にテレビはなく、数日遅れで届いた新聞で地元の様子を知った。指揮官は「被害を受けた皆さんに夢を与えられるようなプレーをしたい」と話す。

 昨夏は広島のドラフト1位・中村奨成を擁して甲子園準優勝。ノーシードから勝ち上がった今大会だが、チームの合言葉は日本一。昨年とは違う思いを持って2年連続23度目の甲子園を戦う。 (河合 洋介)

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