NPB 誤審問題で提訴は受理せず オリックスに謝罪、再発防止を徹底

[ 2018年7月27日 17:20 ]

NPB・斉藤惇コミッショナー
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 日本野球機構(NPB)の斉藤惇コミッショナー(78)は27日、誤審があった場面からの続行試合を要望しコミッショナー裁定を求めていたオリックスからの提訴を受理しないと発表した。オリックス側に不受理を伝えた上で、誤審について謝罪し再発防止を徹底する旨を伝えた。

 午前中に都内でコミッショナー自らオリックス湊通夫球団社長らに見解文書を手渡すとともに謝罪の意を伝え、了承されたという。

 同文書には「野球規則第188条に基づきコミッショナーに裁定を求めることのできる紛争は、コミッショナーの権限と責務に鑑み自ずから限定されるものとする。野球規則やリーグアグリーメントで異議を唱えることを許さないと規定している案件にまで裁定を求めることは出来ない」と記された。今回は審判団がリプレー検証で本塁打としながら、試合後に誤審を認めたことは審判団の判断自体の誤りであって、リクエスト第3条には違反していない。リプレー検証は審判団の判断に求めることにとどめ、同8条6号において異議を唱えることは許されないとも規定されてる。従ってコミッショナー裁定を求めることの出来ない事項について求めており、受理はできないとした。なお審判団が判断を誤ったものことはゆゆしき事態とし、マニュアル見直しを含む再発防止策をすでに実行していると伝えた。

 斉藤コミッショナーは「現在与えられているルール、環境ではこういうジャッジをせざるを得なかった。ただチームはもとりより、選手、ファンに多大な不愉快な思いをさせたとこに謝らせていただきます」と頭を下げた。今後の防止策については「判定を見直すときはリーダー(責任審判)が口を出すのではなく、若い人間から声を出してもいいのでは」と話した。

 誤審があったのは6月22日に行われたオリックス―ソフトバンク10回戦。延長10回、ソフトバンクの中村晃が放った右翼ポール際への打球をリクエストによるリプレー検証でファウルから本塁打に変更。オリックスが敗れ、試合後に映像を見直した結果、審判団がファウルだったと認めた。

 【6月22日のオリックス―ソフトバンク戦での誤審】3―3の延長10回2死一塁。ソフトバンク・中村晃がカウント2―2から9球目を打った右翼ポール際への打球がファウル判定され、工藤監督がリクエストによるリプレー検証を要求。判定が本塁打に覆り、2点を勝ち越して5―3で勝利。試合後に福良監督らも立ち会った上で映像を約20分かけて見直した結果、審判団がファウルだったと認めた。

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2018年7月27日のニュース