【北埼玉】甲子園連覇へ 花咲徳栄 4年連続V エース野村「自分たちの代で行けるのはうれしい」

[ 2018年7月25日 05:30 ]

第100回全国高校野球選手権記念北埼玉大会決勝   花咲徳栄4―1上尾 ( 2018年7月24日    大宮公園 )

<北埼玉大会決勝 花咲徳栄・上尾>優勝を決め喜びを爆発させる花咲徳栄ナイン(撮影・郡司 修)
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 第100回全国高校野球選手権記念大会(8月5日から17日間、甲子園)の地方大会は24日、27大会で73試合が行われ、新たに5代表が決まった。北埼玉大会では昨夏全国優勝の花咲徳栄が埼玉初の4連覇を果たし、6度目の出場。野村佑希投手(3年)が1失点で完投した。

 外角低めに139キロ直球をビシッと決め、3球三振でフィニッシュ。その瞬間、野村が感情を解放した。両手を上げる。雄叫びを上げる。「自分たちの代で甲子園に行けるのはうれしい」。聖地に優勝旗を全員で返しに行ける。先輩たちと一緒に戦った1年前の夏とは、また違う喜びがあった。

 5安打1失点、今大会3回目の完投。背番号1が、綱脇(現東北福祉大)から清水(現中日)への継投で全試合を戦った昨夏の甲子園とは違う形を示した。「代わりになれるようにと頑張ってきた。エースの夏は苦しかった」。ここまでの笑顔なきマウンドは、重い責任を感じていたからだった。

 2人の存在もあり、投手として入学した野村は打力を買われて野手に回った。昨秋から投手としても活躍を始め、変化球を磨いて今春から「1」を託された。エースとして甲子園へ――。「入学当初からの夢が最後にかなった」と喜んだ。

 春までは主将を務めていた。中学でも経験のない大役に悩んだ。1月にはへんとう炎を患い、ノロウイルスにも感染。食べ物が喉を通らず2週間、チームから離脱した。「主将として早く戻らなければ」と焦りが募った。

 昨年の主将だった千丸(現駒大)に、ほぼ毎日のように相談の電話をかけた。「1人にならないで仲間と乗り越えろ」という言葉に励まされた。この夏は、プレーに集中させたい岩井隆監督の考えで、主将は杉本に譲った。「楽にしてくれたから、試合は自分が引っ張ろう」。エース兼4番の役目に専念した。

 今大会1号か、と思われた3回の大飛球はわずかに左へ切れるファウル。それでも7回には左前適時打で自分を楽にした。プロ注目のバットにしては意外な今大会初打点。「まだ本調子じゃない」と上昇をにらむ。「全て出し切って、新しい優勝旗を取りに行く」。誓いを胸に聖地へ乗り込む。 (武本 万里絵)

 <6試合でチーム4三振>84年以来の甲子園出場を狙った上尾に先制を許す中、花咲徳栄打線は着実に点を挙げて逆転した。4回は橋本吏、杉本の連続適時打で勝ち越し。06〜08年の浦和学院の3連覇を超えるV4に岩井監督は「昨夏の全国制覇からずっとプレッシャーがかかっていた」と打ち明けた。しぶとい打線は、この日の3三振を加えても6試合でわずかチーム4三振。過去10年、全国の代表校で最少だったのは14年三重の5個で、これを下回った。

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2018年7月25日のニュース