【西兵庫】「兵庫ナンバーワン」の右腕、小野・正中 無念の逆転で散る

[ 2018年7月25日 15:53 ]

第100回全国高校野球選手権記念西兵庫大会準決勝   明石商4―3小野 ( 2018年7月25日    ほっともっとフィールド神戸 )

<明石商・小野>明石商打線を相手に力投する小野のエース・正中
Photo By スポニチ

 小野の快進撃を支えた右腕、正中(しょうなか)敦士(3年)は明石商を9回まで追い詰めながら、逆転で敗れ去った。

 0―0の8回表、自身の二塁内野安打を足場に福永琉斗(3年)の三塁強襲安打で先制。さらに押し出し、敵失で3点を奪った。

 9回裏、安打、四球などの1死一、三塁から適時打に2点三塁打を浴びて同点を許した。なお続いた1死三塁は三振と、大野舜介(2年)の美技(左直)で脱出。しかし延長10回、安打と2四球の1死満塁から中越え打を浴びて力尽きた。

 「先輩の方々から最後の最後まであきらめるな、ベストを尽くせ……と学んでいたはずですが……。全校応援でたくさんの励ましの言葉ももらっていたのに、最後に自分の課題が出てしまいました」

 1回戦から全6試合を一人で投げ抜いた。疲労はあったが「いつもより、よく食べ、よく眠って回復に努めていました」と、最速142キロの速球は走り、スライダーも切れていた。

 小学校2年から野球をはじめ、中学時代も最初は外野手。中学2年から投手となり、進学先には「野球も勉強もしっかりやりたかったから」と進学校の小野を選んだ。いま希望する進学先は滋賀大経済学部という。

 入学時60キロだった体重も、筋力トレーニングに食事量も増やし、いまは70キロある。当初120キロ台だった球速も140キロを超えた。

 「秋も春も県大会にも進めなかったけど、自分が信じて続けてきた練習の成果を最後の夏に出せました。それはうれしい。何とかみんなで甲子園に行きたかったですが……」。優勝候補の明石商を追い詰め、悔しさは当然あるが、どこか、清々しさもうかがえた。

 相手の明石商・狭間善徳監督が「兵庫県ナンバーワン投手」と絶賛した右腕は、涙をぬぐい、前を向いて球場を後にした。(内田 雅也)

続きを表示

この記事のフォト

2018年7月25日のニュース