金本監督、攻めの采配及ばず 広島戦6連敗も「切り替えてやっていく」

[ 2018年7月25日 06:05 ]

セ・リーグ   阪神1―3広島 ( 2018年7月24日    甲子園 )

8回終了後、うつむき気味に選手交代を球審に告げにいく金本監督(撮影・坂田 高浩)
Photo By スポニチ

 最後まで攻めの姿勢を貫いた。首位広島と、がっぷり四つに組み、寄り切られた。これで負けたら仕方がない。今は気持ちを切り替え、次の試合に勝つことだけを考える。阪神・金本監督も、前だけを見据えた。

 「まあジョンソンがよかったね。フランスアも。(中軸3人も)いつもいつも打てるわけじゃないからね。まあ、切り替えてやっていきます」

 一つの「決断」を下し、臨んだ一戦だった。狭い横浜から広い甲子園に舞台変更。23日に「打線としては行きたい。守りの問題はあるけどね」と葛藤していた福留、糸井、ロサリオ、ナバーロが並ぶ超重量打線を本拠地でも採用した。守備のリスクより攻撃の充実を優先。その時点から攻めの姿勢は鮮明だった。

 采配でも、攻め続けた。2点を追う初回無死一塁では強攻策を選択し、北條の右前打で無死一、二塁の好機をつくり出した。5回無死一塁では、4安打2失点と粘投していた岩田に早々と代打・大山を送った。1点を取りに送りバントの選択もある中で攻撃最優先のタクト。結果的にジョンソンに要所を締められ、いずれも得点にはつながらなかった。

 それでも、へこたれなかった。7回に代打俊介の適時打で1点を返してジョンソンを降板させた。9回には守護神の中崎を攻め2死無走者から一、三塁を演出する執念を見せた。肝心の福留、糸井、ロサリオ、ナバーロは計15打数1安打に終わったが、次戦につながる姿勢は感じられた。

 主軸はもちろん、不甲斐なさを痛感した。4打数無安打の4番糸井は「俺は疲れていない!」と自らを鼓舞するかのように球場を引き揚げた。甲子園でも中堅を任され4打数無安打に終わったナバーロも「自分の打撃には満足していない。チャンスでの打席で走者を還せなかったことが悔しい」と唇をかんだ。この悔しさを必ずや、今日への糧としてくれるはずだ。

 広島戦は6連敗となり首位とのゲーム差は今季最大11に広がった。そして甲子園でも5連敗。指揮官も「ここでは、みんな打てなくなる。何かあるのか。横浜、神宮みたいにガンガン打ってほしいけどね。空気があるんかな、そういう」と首をかしげた。その「何か」を打破するのが超重量打線であり、攻めの姿勢――。布石は打った。今日こそ、流れを変える。 (惟任 貴信)

続きを表示

2018年7月25日のニュース