上原、日米通算トリプル100達成!43歳 日本人初の金字塔

[ 2018年7月21日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人9―10広島 ( 2018年7月20日    マツダ )

3番手で登板し1回を無失点に抑えた上原(撮影・北條 貴史)
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 巨人・上原浩治投手(43)が20日の広島戦で今季10ホールド目を記録し、日米通算100勝100セーブ100ホールドを達成した。同点の7回に登板し、1イニングを1安打無失点に抑えた。先発、中継ぎ、抑えの全てで実績を残したことを示す記録で、日本人では初の快挙。古巣に10年ぶりに復帰した43歳右腕がプロ20年目で偉業を成し遂げた。試合は延長10回に逆転サヨナラ負けを喫し、連勝は7で止まった。

 日本人初めての偉業は、10年ぶりに戻ってきた日本で達成した。上原は7回、同点の場面でマウンドへ。1イニングを1安打無失点に抑えてホールドを挙げ「誰も達成していない記録を自分がやったことはうれしい」と笑った。

 半年ほど前までは考えもしなかった。昨オフ、メジャーのFA市場の停滞もあり、新天地が決まらなかった。一時は引退の2文字すらも頭をよぎった。そんな時、声を掛けてくれたのが古巣の巨人だった。一番近くで苦楽をともにしてくれた家族にも相談。美穂夫人からは「野球を続けるなら(日本でも米国でも)頑張ってほしい」と背中を押された。指揮官は同じ1975年4月3日生まれの高橋監督。これもまた何かの縁に感じられた。

 ただ甘くはなかった。入団会見は3月9日。自主トレは続けてきたが、2月のキャンプは不参加。「いくら自主トレで練習していてもユニホームを着てないし、実戦的なこともやっていない。完全に影響した」。開幕から4試合は完全投球も、5試合目には早くも敗戦投手になった。開幕直後から走り込みを続け、先発投手が行うポール間ダッシュなど長い距離走も取り入れた。同時に投げ込みも敢行。試合終盤にその日の登板がないことが決まると、ブルペンで約40球を投げ込んだ。「(一番大事なことは)常に準備すること」。登板がなくても次への準備は怠らない。

 06年に通算100勝を達成した。転機は翌07年。原前監督から抑えを打診された。レッドソックス時代の13年には日本人初となるワールドシリーズの胴上げ投手になった。15年には日米通算100セーブに到達。「今はこのポジションでプライドを持ってやっている」とリリーバーの地位向上も訴える。そして100ホールド。日本で112勝33セーブ19ホールド、大リーグでは22勝95セーブ81ホールドを積み上げた。

 チームは延長10回に逆転サヨナラ負け。敵地マツダスタジアムでは10連敗となったが、上原は言った。「結果が出ようが出まいが、また明日が来る」。浪人して大学に進学。座右の銘「雑草魂」を胸に、プロで20年のキャリアを積んだ男の言葉はたくましく、力強かった。(岡村 幸治)

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2018年7月21日のニュース