上原の偉業 恩師ファレル氏が祝福 コウジの情熱支える「野球楽しむ心」

[ 2018年7月21日 08:00 ]

セ・リーグ   巨人9―10広島 ( 2018年7月20日    マツダ )

レッドソックス時代、ファレル監督の前で調整する上原
Photo By スポニチ

 上原が抑えとしてワールドシリーズを制覇した13年レッドソックスの監督で、現在はレッズのスカウトを務めるジョン・ファレル氏(55)が、本紙に祝福のメッセージを寄せた。(聞き手・奥田秀樹通信員)

 なぜコウジが、先発でも抑えでも中継ぎでも成功できたのか。私の意見は一球一球、並外れた集中力で狙い通りに投げ込むことができたから。だから常に高いレべルの仕事ができた。彼はレッドソックスの歴史の中でも、最も優れたリリーフ投手の一人だった。

 13年は、彼が出てきたら試合の決着がついたも同然。コウジなしに世界一はなかった。当時38歳で、レギュラーシーズンもポストシーズンの合計86試合に登板。凄かったのは、効率的な投球内容だ。3アウトを取るのに球数が9球以下が珍しくなかったし、多くても13球くらい。また、毎日体をしっかりメンテナンスし、勤勉にトレーニングをしていた。

 なぜ打てなかったのか。まずはあのフォーム。素早く、打者からボールを上手に隠して速いテンポで投げる。88マイル(約142キロ)の直球でも96マイル(約154キロ)の威力があった。加えて、スプリットを自在にコントロールし、動きにも変化を付けていた。また、第六感に優れ、打者の気持ちを読み、打ってくるのか見てくるのか、すぐに見抜けた。洞察力は人並み外れていた。

 4年間一緒だったが、特に印象に残ったのは、心から野球を楽しんでいたこと。高いレベルで競うことに喜びを感じていた。だから43歳にして情熱を保つことができているのだと思う。今でも私はワールドシリーズ第6戦で、彼が最後に三振を取って優勝を決めたシーンを思い出す。大舞台で映える男。これからも頑張ってほしい。

続きを表示

2018年7月21日のニュース