小さな触れ合いから大記録まで 球界の発展に寄与する“上原の流儀”

[ 2018年7月21日 10:00 ]

7回1イニングを抑え日米通算100勝100セーブ100ホールドを達成した上原はハイタッチでナインを出迎える(撮影・荻原 浩人)
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 巨人・上原が20日の広島戦で今季10ホールド目を記録し、日米通算100勝100セーブ100ホールドを達成した。43歳右腕がプロ20年目で、日本人初の快挙を成し遂げた。

 日本球界に復帰した今年は、11年ぶりに球宴に出場。熊本で行われた第2戦で、史上最年長登板を成し遂げ「長く野球を続けてきたってことだよね」と感慨深げに話していた。試合を終えた翌日、熊本から遠征先の大阪に向かう時のことだ。上原の「神対応」を目撃した。

 正午ごろ、熊本駅のホーム。一人のファンが写真撮影を求めた。前日の疲れは残るだろうに、笑顔で対応。すると次から次へとファンが訪れ、待合室が即席の「写真撮影会」のようになった。背筋を伸ばして立つ上原の横にファンが並ぶ。ホームに上がってから新幹線が来るまでの約10分間も続いた。16年に熊本地震があり、被災地復興の一環として行われた今年の球宴。目の前で、熊本のファンが次々と笑顔になるのを見た。

 100ホールドの記録達成に1ホールドと王手をかけた17日の阪神戦直後。「大々的に報じてもらって連盟表彰案件になれば、中継ぎ投手のやりがいも出てくる。今はこのポジションにプライドを持っている」と話していた。ファンとの小さな触れ合いに、大記録。上原は球界の発展に寄与し続けている。(記者コラム・神田 佑)

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