【東東京】安田学園 8年ぶり8強 森が4安打 すり足打法で「芯に当たるようになった」

[ 2018年7月21日 05:30 ]

第100回全国高校野球選手権記念東東京5回戦   安田学園9―6明大中野 ( 2018年7月20日    神宮第二 )

<安田学園・明大中野>7回1死一塁、右中間へ勝ち越し適時二塁打を放ち、ガッツポーズする安田学園・森(撮影・木村 揚輔)
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第100回全国高校野球選手権記念大会(8月5日から17日間、甲子園)の地方大会は20日、15大会62試合が行われた。東東京大会では安田学園が森一光外野手(3年)の4安打の活躍で、8年ぶりに準々決勝へ進んだ。

 酷暑の大会。リフレッシュは欠かせない。1回戦から戦ってきた安田学園は、試合がなかった19日を休息に充てた。その中で、森は他3人と共に打撃練習をした。調子が悪かったからだ。「相手投手(明大中野・石川)は右のサイド。俺たち左打者が打たないと」と、後ろの6番を打つ星と闘志を高めた。

 社会人野球の熊谷組OBの外部コーチ、大橋弘幸氏が練習を見てくれた。薦められたのは「すり足打法」だ。右足を上げて打ちにいくスタイルだったが、今大会はタイミングが合っていなかった。「(エンゼルスの)大谷もすり足だぞ」と乗せられて、試した。「芯に当たるようになった」と手応えを得た。

 当たる、当たる。中前打2本を連ねた後、3点を追う5回は2死一、二塁で右越えの2点二塁打。そして同点の7回は、1死一塁で右中間突破の決勝二塁打を放ってみせた。

 安田学園といえば巨人・阿部の母校。森は「ストライクをフルスイングする点を見習っている」という。千葉県鎌ケ谷市のグラウンドの外野奥に立つ高い防球ネット、通称「阿部ネット」を越すこともある高校通算11本塁打の打力。二塁打2本は最後のひと伸びで外野手の頭を越えた。

 作新学院で江川卓氏の2学年上だった大橋コーチからは「怪物」伝説も聞いたことがある。「存在感が凄い。そういう選手になれ」と励まされた。学校の横は隅田川。ブラスバンドは「春のうららの隅田川〜」を応援曲にして何度も演奏していた。存在感が出た5番打者が優雅な調べに乗り、次は04年の最高成績に並ぶ4強の扉を開く。(和田 裕司)

 ◆森 一光(もり・いっこう)2000年(平12)11月28日生まれ、千葉県柏市出身の17歳。沼南フラワーズで野球を始め、中学時はオール沼南に所属。安田学園では1年秋からベンチ入りし、2年春からレギュラー。1メートル77、77キロ。右投げ左打ち。

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