NTT東日本・長沢8強弾!“V知らず男”が均衡破った

[ 2018年7月20日 05:30 ]

スポニチ後援第89回都市対抗野球第7日・2回戦   NTT東日本5―0三菱日立パワーシステムズ ( 2018年7月19日    東京D )

7回無死、左越え本塁打のNTT東日本・長沢(右)はナインの祝福を受ける (撮影・西川祐介)
Photo By スポニチ

 2回戦3試合が行われた。前年覇者のNTT東日本(東京都)は長沢壮徒(まさと)外野手(23)の先制弾と3投手の完封リレーで、昨年4強の三菱日立パワーシステムズ(横浜市)に快勝、ベスト8一番乗りを果たした。また、大阪ガス(大阪市)、JR西日本(広島市)もそれぞれ準々決勝に進出した。

 一振りで重苦しい空気を切り裂いた。両軍無得点の7回、長沢がカーブをフルスイングすると、打球は左翼席に吸い込まれた。

 「塁に出たい気持ちだけ。ホームランなんてなかなか出ない」

 グラウンドで受けた野球人生2度目のインタビューこそ謙遜したが、報道陣には「初球の甘いカーブをファウルにして…。4球目にまた来たから今度は叩きました」と本音も。甲府工時代は通算38本塁打、上武大でも2年から4番に座る底力をドームで見せつけた。

 昨春、1メートル84、96キロの恵まれた体格から長距離砲と期待され入社したが、さまざまな助言を聞くうちに自分のスイングを見失った。36年ぶりの都市対抗優勝時もベンチ入りメンバーから外れた。「だから今季は自分が思っている打撃をしたかった」。飯塚智広監督も「一発はまさかです」と驚きながら「ウチに来てから打撃が小さくなっていたが、だんだんこの(長打)スタイルになってきた」と評価した。

 人生最初のインタビューは上武大時代の16年の大学選手権2回戦、福井工大戦で決勝打を放った時だった。だが、準決勝で吉川尚(現巨人)擁する中京学院大に敗退。上武大が大学日本一に輝いた5年前はやはりベンチ外だった。そして昨年…。今度こそ自らのバットでチームの日本一に貢献する。

 「あと3つ(3勝)か?半分いってませんね。これからはチャンスでどれだけ結果を残せるか」。V2へ突き進む「未完の大砲」が覚醒しつつある。 (伊藤 幸男)

続きを表示

2018年7月20日のニュース