日本ハム・杉谷 具志堅氏との浅からぬ縁、17年ぶり再会そして恩返しを

[ 2018年7月19日 10:20 ]

セルラースタジアム那覇で久しぶりに再会した日本ハム・杉谷(左)と具志堅氏
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 6月27日、沖縄セルラースタジアム那覇のロッカールーム。ソフトバンク戦に向けて準備を進めていた日本ハム・杉谷拳士内野手(27)は思わぬ人物に声を掛けられた。「久しぶり!元気か?」。声の主は始球式のイベントで同球場を訪れていた元WBA世界ライトフライ級王者の具志堅用高氏(63)。両者が会うのは実に17年ぶりだった。

 杉谷の父・満さん(54)は元プロボクサーで引退後は具志堅氏のスポーツジムでトレーナーを務めていた。そして同ジムは小学生時代の杉谷にとって格好の遊び場だった。「ジムにゲーム機を持っていって勝手に(具志堅)会長の部屋のテレビにつないでやっていた。会長が部屋に入ってきても“ちわっす”みたいな感じで。今考えると“なんてことしてたんだ”と思います」と苦笑する。

 小学3年から野球を始めた杉谷は同ジムでトレーニングを行うこともあった。その動きに父親譲りの非凡な才能を感じた具志堅氏は何度も満さんに「野球ではなくボクシングをやらせた方がいい」と熱心に勧誘していたという。今回、久々に沖縄で再会した際も「俺はボクシングをやらせたかったんだけどなぁ…」と残念そうに声を掛けられた。明るい性格とイベント時などの軽妙なトークでファンから人気を集める杉谷。「拳士」というインパクトのある名前でもあり、ボクサーでも名を売った可能性はある。

 杉谷は言う。「具志堅さんはプロ野球選手になってからもずっと僕のことを気に掛けてくれていたみたい。できるだけ長く野球をやることが恩返しになると思います」。今季も両打ちと内外野を守れる守備力でチームを支えるムードメーカーは、実にチーム57年ぶりの公式戦が行われた沖縄で決意を新たにしていた。(記者コラム・山田 忠範)

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2018年7月19日のニュース