離脱の坂本勇から電話が…巨人・陽7連勝打「“引っ張ってください”と」

[ 2018年7月19日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人5―3阪神 ( 2018年7月18日    甲子園 )

<神・巨>初回2死満塁、陽岱鋼は右中間に走者一掃の先制二塁打を放つ(撮影・山口 和洋)
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 主将の気持ちに応えた。前日、巨人・陽岱鋼(ヨウ・ダイカン)は一本の電話を受けた。着信画面の表示は坂本勇の名前だった。

 「“よろしくお願いします。チームを引っ張ってください”と言われた。特に中堅選手、全員でカバーしたかった」。17日に左脇腹痛でチーム最多安打の「柱」が離脱。遠征先で食事に出かけるなど親交も深く、特別な思いで打席に向かった。

 初回2死満塁。球宴休みを挟み8日間、16打席無安打だった。才木の高めに浮いた直球を逆方向の右中間に運ぶ。17打席ぶりの安打は走者一掃の3点二塁打だ。「久しぶりのヒットが先制点になってうれしい」。ティー打撃で入念に確認し「今日はいいね、楽しいよ」と好感触だった右手の押し込みが利いた。

 昨季日本ハムからFA移籍したが、下半身のケガもあり87試合の出場に終わった。今オフは「日本人では勇人しかレギュラーが決まっていない。自分も保証されていない」と下半身強化を重点に、年末年始関係なくトレーニングを続けた。台湾で過ごした元日。球場の周囲を5分半で3周し、本塁からバックスクリーンまで15秒で走るダッシュ10本が「野球始め」のメニューだった。昨年の契約更改では「勇人の倍、盗塁する」と宣言していた。

 今季も打率・256と調子が上がらず、一時は8番まで打順を下げた。そんな中、坂本勇が離脱。「勇人の分まで戦っていこう」と、8回にも左前に2点打を放った。10球粘った一打。「キャプテンがケガをして、必死だった。バットに当てることだけを考えた」という気持ちが表れた。

 5打点は移籍後初で自己最多タイ。高橋監督は「心強い。もっと打ってもらわないといけない選手」と期待した。7連勝。首位・広島とはまだ5ゲーム差あるが、勢い十分で20日から直接対決する。 (神田 佑)

 ≪球宴挟んでは28年ぶり≫巨人は球宴を挟み7連勝。チームが球宴を挟んで7連勝以上をマークするのは90年7月21日大洋戦から8月4日広島戦まで9連勝して以来28年ぶりだ。また、今回連勝期間中の勝利投手は全て先発。巨人がオール先発投手の勝利で7連勝するのは00年6月13日横浜戦から工藤、鄭ミン哲(チョン・ミンチョル)、桑田、河原、上原、工藤、メイと続いて以来18年ぶり。8連勝以上だと前記90年の9連勝以来になるがどうか。

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