大谷、代打で三振も前半戦充実「いいことも悪いことも、いい経験」

[ 2018年7月17日 05:30 ]

インターリーグ   エンゼルス3―5ドジャース ( 2018年7月16日    ロサンゼルス )

ドジャース戦の9回、代打で空振り三振に倒れ、ベンチに戻るエンゼルス・大谷
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 エンゼルスの大谷翔平投手(24)が15日(日本時間16日)、前半戦最終戦のドジャース戦が行われたドジャースタジアムで前半戦を総括し、右肘故障で離脱した期間こそあったが、メジャー1年目の充実感をにじませた。後半戦開幕前日の19日(日本時間20日)には右肘の再検査を受け、今後の方向性が決まる。この日は9回に代打で空振り三振を喫し、チームも敗れた。

 野球が楽しい。心の底からそう感じた半年間だった。夢だったメジャー挑戦1年目。大谷は前半戦を総括し「すごい良い経験がたくさんできた。初めての経験ばかりだったので良いことも悪いことも自分の良い経験になる」と素直な気持ちを吐露した。

 初打席初安打、初登板初勝利、そして衝撃の3試合連続本塁打。印象に残った試合について大谷も「なかなかこれというのは(決められ)ない」と苦笑するほど、鮮烈なデビューだった。オープン戦は投打ともに結果を残せなかったが、打撃では「フォームは常に変わるもの」と柔軟に考え、開幕直前に「すり足」気味の新打法で不振を脱出。投手でもメジャー球や固いマウンドに対応してみせた。

 右肘の内側側副じん帯損傷の診断を受け6月8日に故障者リスト(DL)入り。1カ月近くも離脱した。ただ、大谷は良いこと、悪いことを「表裏一体」と表現した上で「悪かったことをどう捉えていくか大事。それを良い方向にもっていくことが大事だと思うので、その繰り返し」と語った。打者専念中は投手ミーティングには参加せず、打撃に集中した。

 この日のド軍戦では2点ビハインドの9回に先頭で代打出場。守護神ジャンセンのカットボールにバットが空を斬って3球三振を喫し、前半戦最終打席を終えた。チームは貯金1も4位。ポストシーズン進出は簡単ではない状況だが、大谷は「けが人が多い中で後半戦に向けては十分ポストシーズンもまだ狙えるんじゃないかなと思っている」と力強い。オールスター休み中の今月19日(日本時間20日)に右肘の再検査を受け、今後の方向性が決まる。問題なければ翌20日(同21日)にもキャッチボールを再開し、早ければ8月下旬の復帰が期待できる。

 大谷は言う。「(前半戦は)大して期待はされてなかったですけど、後半戦でもっと期待されるように頑張りたい」。日米の注目を受け流し自然体を貫く笑顔が、さらなる飛躍を予感させる。(柳原 直之)

 ≪大谷の好きなスペイン語は「ケラモ・ソイ」≫エンゼルスのマイク・ソーシア監督は前半戦の大谷の活躍を称賛した。「右肘の故障で約1カ月間打撃ができない状態になったが、メジャーの才能と高いレベルでプレーできることを見せてくれた」。投打二刀流の起用法についても「全てが円滑にできた」と語った。また、チームメートとのコミュニケーション能力の高さにも感心し、「彼はスペイン語を理解している。彼の一番好きなスペイン語は“ケラモ・ソイ”。きょうは勝つという意味だ」と笑った。

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2018年7月17日のニュース