【西東京】頬に涙の筋…早実・野村主将 逆転で“早稲田対決”生き残った

[ 2018年7月16日 05:30 ]

第100回全国高校野球選手権記念大会西東京大会3回戦   早実11―3早大学院 ( 2018年7月15日    ダイワ八王子 )

<早大学院・早実>4回1死一塁、生沼の適時二塁打で生還し、ガッツポーズする早実・野村(撮影・吉田 剛)
Photo By スポニチ

 第100回全国高校野球選手権記念大会(8月5日から17日間、甲子園)の地方大会は15日、50大会で367試合が行われた。西東京大会では、3年ぶりの夏の甲子園を目指す早実が早大学院を相手に逆転勝ちで初戦を突破。池田(徳島)、上尾(北埼玉)、習志野(西千葉)など、全国各地でも古豪が勝ち上がった。16日は50大会で333試合が行われる。

 土ぼこりと日焼けで真っ黒の野村の頬には、涙の筋が残っていた。早大学院との5年ぶりの「早稲田対決」で、一度は敗戦も覚悟した。終盤の逆転劇で夏1勝を挙げた主将は心から安堵(あんど)した。

 「チームが勝ててホッとしています。ミスで流れが悪い状況の中、粘って逆転できたのは大きい。次につながると思います」

 3年ぶりの夏の甲子園へ、シードで迎えた初戦。「夏の初戦は難しい」と和泉実監督の予想は的中した。先発した2年生右腕の伊藤が初回、2戦連続5回コールドで勝ち上がってきた早大学院打線につかまり3失点。打線も打ちあぐねた。高校通算66本塁打の主砲・野村は走者がいる場面で3度凡退。1点を追う8回は先頭で四球を選んだ。次打者・生沼の空振り三振時に二盗を試みるも、生沼が捕手の送球を妨害したとして守備妨害。野村もアウトの判定となり、2死無走者となった。

 しかし、思わずベンチで涙ぐんだ野村の前で続く6番・江本から4連打で逆転に成功。9回は2本塁打で6点を加え、終わってみれば11―3のスコアに「自分が打てなくてもカバーしてくれた仲間に感動しました」とチームメートに感謝した。

 昨夏は西東京大会決勝で東海大菅生に敗れた。悔し涙を流す清宮主将(現日本ハム)ら先輩の姿は脳裏に焼き付いている。主将を引き継いだ野村も「去年の決勝で負けてからずっとこの夏のことを考えてきた」と先頭に立ってチームを引っ張ってきた。その清宮からは大会直前、ビデオメッセージが届いた。野村はLINEでも「頑張れ、絶対優勝しろよ」と激励された。

 2回から緊急登板で8回2安打無失点と好救援したエース雪山は「清宮さんの代から悔しさは残っている。上級生のためにも勝って恩返ししたい」と意気込む。第1回大会から出場する古豪が臨む100回の記念大会。大舞台から簡単に降りるわけにはいかない。 (牧田 大一)

 ▼早実・和泉実監督 どんな勝ち方でもいい。格好悪くても、勝ち上がることで選手もチームも成長していくのが夏の大会。

続きを表示

2018年7月16日のニュース