オリのラオウ杉本 プロ2号は初満弾 また辛島“昇天”させた

[ 2018年7月12日 05:30 ]

パ・リーグ   オリックス8―3楽天 ( 2018年7月11日    楽天生命パーク )

<楽・オ>4回1死、杉本が中越えに満塁弾を放ちベンチに迎えられる(撮影・篠原岳夫)
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 オリックスの「ラオウ」が捨て身の一撃をお見舞いした。この日に昇格即先発した杉本が、1点を先制した4回、なお1死満塁から楽天先発の左腕・辛島のチェンジアップをバックスクリーンへ叩き込んだ。今季1号、通算2本目のアーチはプロ初の満塁弾となった。

 「今日打てなかったから、もう終わりだと思っていた。入ると思わなかったので自分でもビックリ」

 わが生涯に悔いを残すところだった。前半戦最終戦に初降臨した世紀末覇者は背水覚悟だった。1メートル90、94キロの恵まれた体格で人気漫画「北斗の拳」の主人公ケンシロウの兄ラオウを敬愛。飛躍を期待された今季は艱難(かんなん)辛苦。春季キャンプの紅白戦でサインミスを犯し懲罰降格し、その後は重度の打撃不振にも陥った。「打球が前に飛ばない」とこぼしたように2軍戦でも遠征に同行することができず24試合出場で打率・173、0本塁打、4打点と精彩を欠いた。

 だが、10日のウエスタン・リーグ、広島戦で、辛島と同型の軟投派左腕・高橋樹から3安打。映像を見ていた藤井打撃コーチが福良監督に進言し、昨年9月9日の楽天戦でこの日と同じ舞台、同じ辛島からプロ初安打を先頭打者弾で飾った相性の良さも見込まれ緊急昇格した。2年連続で辛島を“昇天”させ、指揮官も「ラオウ(杉本)の一発は大きかった。コーチのおかげです」と称えた。

 連敗を3で止めソフトバンクと同率3位に浮上。貯金2とし4年ぶりに貯金ターンを決めた。「こういう試合を増やしていけたらね」と指揮官。22年ぶりのリーグ優勝へ、拳王が覇道を示した。(湯澤 涼)

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