大谷 復帰2戦目マルチ「この3週間に比べれば全然楽しい」

[ 2018年7月6日 05:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス7―4マリナーズ ( 2018年7月4日    シアトル )

<マリナーズ・エンゼルス>7回、二塁打で出塁後、三塁へ走る大谷(AP)
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 エンゼルス・大谷翔平投手(24)は4日(日本時間5日)、マリナーズ戦に「6番・DH」で出場し、4打数2安打2得点で勝利に貢献した。右肘じん帯損傷から復帰後初安打を放つなど、5月24日のブルージェイズ戦以来となるマルチ安打をマーク。復帰2試合目で早くも打棒を発揮し、敗れれば借金生活に転落というチームの危機を救った。

 久しぶりに心から笑えた。4打数2安打2得点としっかり貢献して白星をつかんだ。大谷は「そこが一番うれしい。勝てて良かったし、打席の感じも昨日より良かった」と勝利の余韻に浸った。

 2回の第1打席はバットに捕手のミットが当たる珍しい打撃妨害で出塁し、次打者の二塁打で一気に先制の生還を果たした。第2打席は2―2の4回無死二塁。初球の140キロを捉え一、二塁間を破った。6月4日ロイヤルズ戦以来1カ月ぶりの安打を放ち、勝ち越しのホームも踏んだ。

 「きっちり見えるところは見えているし、昨日よりもボールに対してしっかり入っていけたと思う」。7回にも内角に来た150キロを引っ張り、一塁線を破る二塁打。復帰初安打に続いて初長打、初マルチと打棒がよみがえった。いずれもファーストストライクを一振りで仕留める、積極性と確実さが光った。

 右肘じん帯を損傷した6月6日のロイヤルズ戦以来の復帰戦となった前日は4打数無安打3三振と沈黙し、試合も敗れた。大谷不在の間に8勝14敗と苦しんだチームは貯金をはき出し、勝率5割に戻った。この日も敗れれば開幕戦以来の借金転落という危機だった。

 当面は打者専念の日々が続く。投手としては投球練習を控えているが、片方の刀はわずか1日で輝きを取り戻した。「登板もしながら打つのが普通のリズムなので。逆にこれが普通じゃない感じですけど。出られないより出られた方がいいし、この3週間に比べれば全然楽しいと思う」。孤独なリハビリからゲームへと戻り、充実感は隠しようがない。

 二刀流解禁は19日(日本時間20日)の再検査を待たねばならない。「そこの整理はこの3週間でほぼできているつもり。メドも立っている。前に進んでいる感じはあるのでそこまでモヤモヤしていない」。何よりも欲しかったチームの勝利に前を向く力強さは増した。日本時間では24歳の誕生日にあたるこの日、米独立記念日で背番号が派手に彩られたユニホームで躍動。完全復活へ大きなステップとなる一日となった。(シアトル・笹田 幸嗣通信員)

 ▼エンゼルス、マイク・ソーシア監督 ショウヘイは2度鋭い打球を飛ばした。間違いなく(前日よりも)いい感じで打っている。

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