福留 バックスクリーン直撃特大逆転7号3ラン「相手のミスが出た後だったので思い切って」

[ 2018年6月28日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神16―6DeNA ( 2018年6月27日    横浜 )

ヒーローインタビュー後、ファンの歓声に応える福留(撮影・坂田 高浩)
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 わずかな隙も見逃さなかった。逆転された直後の4回だ。阪神は無死一塁から植田の送りバントが、DeNAの捕手・嶺井の悪送球を誘って得た一、二塁の好機。狙いを定めた福留が一気に襲いかかった。

 「相手のミスが出た後だったので思い切っていきました。逆転されてしまった次のイニングのいいところで打つことができて良かった」

 両手に残った手応えで打球の行方を確信した。飯塚の初球直球をフルスイングして捉えた大飛球は追い風にも乗って加速し、バックスクリーンを直撃する特大の7号3ラン。2試合ぶりの一発で再逆転を決めた。前夜の陽川に続き、敵失直後に浴びせた殊勲の決勝弾だった。

 「いいチャンスだったので、“ああだ”“こうだ”と考えず思いっきりいった」

 41歳の年齢を感じさせないパワーと勝負強さは今季も健在だ。9回1死三塁でも右翼フェンス直撃の適時二塁打でダメ押しした。

 打線の不調が大きく響いた前半戦の低迷。攻撃陣の先頭に立つ猛虎最年長も人知れず苦しんできた。中軸を担う中心打者に加えて主将としても背負う重圧。4月から実は体の不調を感じていた。

 「胃が痛いんだよ。いろいろチームのことを考えるとな…」

 周囲には弱音を吐かなかったもののコンディションは決して万全ではなかった。使命感と責任感が強く、波に乗れない状況を一人で思い悩んでいた。

 今季最多の16得点を奪った会心の一日。くしくもPL学園の大先輩でもある片岡ヘッドコーチの49歳の誕生日だった。「先輩に、いい誕生日を迎えてもらって良かったと思います」。同コーチが現役時代に付けていた背番号8を付け、最高のプレゼントを贈った。猛虎の精神的支柱。勝利をつかんだ瞬間、少しだけ頬を緩めた。(山本 浩之)

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2018年6月28日のニュース