阪神 17安打16得点で大勝し4位に浮上 陽川 連日の活躍 4安打3打点 5年目で初の猛打賞

[ 2018年6月28日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神16―6DeNA ( 2018年6月27日    横浜 )

4回1死、陽川は中前打を放つ(撮影・岩崎 哲也)
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 阪神は27日のDeNA戦に17安打16得点で大勝し、4位に浮上した。金本知憲監督(50)が就任した16年以降では最多得点。猛打の火付け役は陽川尚将内野手(26)だ。初回に左中間への2点適時二塁打を放つなど4安打3打点。5年目で初の猛打賞を記録した。決勝3ランを放った前日に続く連夜の快音連発で、頼れる右の大砲として急成長を遂げた。

 一夜明けても“祭り”はまだ終わっていなかった。陽川が連日の主役独占で連勝に大貢献した。

 「チャンスだったんで、どんどん初球から振っていこうと」

 猛打の幕開けは初回だ。3四球でもらった1死満塁で追い込まれながら、飯塚の6球目の144キロ直球を捉えて中堅左を破る2点適時二塁打。鮮やかな先制打で試合の流れを一気にたぐり寄せた。

 「ああいう風に打てたので、気持ちの面で楽に打席に立てた」

 勢いに乗った若虎を、もう誰も止められない。3回は中堅フェンス直撃の二塁打で前夜の第3打席から4打席連続で長打を放った。4回は鋭い中前打の後、2死一塁から鳥谷への3球目に二盗に成功。プロ初盗塁を記録し、足でも魅せた。

 プロ5年目にして初めて猛打賞を決めても物足りず、8回1死一、二塁では前夜に決勝弾を放ったエスコバーの152キロ直球を捉えて中堅フェンスに再直撃の適時二塁打。終わってみれば、大学時代を含めても「覚えていないです」と振り返る野球人生最多の4安打、5出塁のワンマンショーだった。本塁打の際に見せる“ゴリラポーズ”はなくても、金本政権では最多16得点を演出する価値ある4本になった。

 「あの年は北海道で終わってしまったんでね…」。札幌遠征を控えた6月中旬に期する思いを明かした。脳裏によみがえったのは2年前の悔しさ。1軍初出場した16年は同遠征の直後に降格し、そのまま2軍でシーズンを終えた。「1軍に食らいついて絶対に帰ってきますよ」。ひそかに成長を示すミッションを掲げ、13日の日本ハム戦では3打点を挙げるなど“鬼門”を突破した。

 成長目覚ましい猛打に金本監督は4番抜てきの可能性を認めた。「それくらいの働きとかしてくれたら並びとしては、スッとハマりやすい」。糸原、福留、糸井に加えて新外国人のナバーロも左打者だけに右の陽川を中心に据える最良の布陣も浮かび上がる。「まだまだ、これからなんで。今日は今日、また明日切り替えてやりたい」。安どや喜びはない。すぐにやってくる1打席に、すべてを懸けるだけだ。(遠藤 礼)

 ○…阪神が今季最多の17安打16得点の猛攻で勝利。1試合17安打は16年5月4日の中日戦以来2年ぶりで、金本阪神では同年4月22日広島戦の19安打に次ぐ2位タイ。16得点は14年8月5日のヤクルト戦で20得点して以来4年ぶり。昨季5月30日ロッテ戦の15得点を更新する金本阪神最多得点になった。

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