誠也 虎粉砕!トドメ満弾 同一カード3連勝で鯉首位快走5.5差

[ 2018年6月25日 05:30 ]

セ・リーグ   広島11―6阪神 ( 2018年6月24日    甲子園 )

<神・広>9回1死満塁、ダメ押しの満塁弾を放ち、雄叫びを上げる鈴木(撮影・成瀬 徹) 
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 広島・鈴木誠也外野手(23)が24日の阪神戦(甲子園)で豪打を見せつけた。同点の6回に左前勝ち越し打を放つと、もつれた展開の9回には敵失で勝ち越した直後に、10号満塁弾を左翼ポールに突き刺し、3安打5打点の大暴れだ。激戦を制したチームは今季5度目の同一カード3連勝を飾った。

 主砲の放った一発がもつれた試合にケリをつけた。敵失で1点を勝ち越した9回、なおも1死満塁の好機。打球が左翼ポールを直撃したのを見届けると、鈴木はガッツポーズに達成感をにじませた。値千金の10号。4月28日の阪神戦以来、通算4本目の満塁弾だ。

 「たまたまです。みんながつないでくれたので、1つでも打点を挙げられたら…と」

 敵の内野陣がゲッツーシフトを敷く中で、守護神・ドリスがカウント1―2から投じた151キロを強振。「犠飛か併殺崩れでも1点は入る」と冷静に状況分析し、決め球のフォークに意識を置きながら、内角高め直球を捉えた。見事だった。

 右足首骨折からの復活を目指す今季。開幕早々に反動で下半身に張りが出たことから、首脳陣は状態を悪化させないように途中交代や休養のタイミングを熟慮する。そんな境遇に初めて置かれ、気付いたことがある。

 「自分が考えていた以上に、ボクは必要とされているんだ…と」

 鈴木自身、本来は気遣われながらプレーすることを好まない。試合に出続けたいし、出る以上は最後まで…。そういうタイプだ。必要とされていると実感したことで、より強まった感情もある。

 「試合に勝ってみんなで喜びたい。去年まで以上に、今年はその気持ちが強いです」

 その思いを体現し、4番の力を誇示した3安打5打点。初回に中前へ運ぶと、同点の6回1死一、二塁では一時勝ち越しとなる左前適時打を放ち、一挙5点攻撃の口火を切った。最高のグランドスラムで最後を締め、鈴木は白い歯をのぞかせる。

 「交流戦であまりいい勝ち方ができなかったので、このカードはしっかり取りたいと思っていた。最近は(4番の)仕事があまりできていなかったので、今日は良かったです」

 7勝11敗と負け越した交流戦の悪い流れを断ち切る同一カード3連勝。2位・巨人とのゲーム差は再び今季最大の5・5に広がった。徐々に温まりつつある4番・鈴木のエンジン。独走に導く豪打さく裂に期待だ。(江尾 卓也)

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2018年6月25日のニュース