オリックス 誤審の場面から試合やり直し要求 1954年に1例

[ 2018年6月24日 05:30 ]

パ・リーグ   オリックス―ソフトバンク(雨天中止) ( 2018年6月23日    ほっと神戸 )

前日に誤審の舞台となったライトポール際を歩くソフトバンクナイン(撮影・井垣 忠夫)
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 22日のオリックス―ソフトバンク10回戦(ほっと神戸)の試合後に審判団が誤審を認めたことを受け、日本野球機構(NPB)は23日、ほっと神戸で友寄正人審判長(60)と仲野和男パ・リーグ統括(57)らがオリックスに謝罪した。NPBは試合は成立しており、記録の訂正は行わないとしているが、オリックス側は誤審があった場面から試合をやり直すように要望を出した。

 誤審騒動から一夜明け、オリックスが試合続行の要望を出す異例の事態に発展した。友寄審判長、仲野パ・リーグ統括らがほっと神戸を訪れ、湊通夫球団社長、福良監督、長村裕之球団本部長らに謝罪。2時間にわたる話し合いを終え、長村球団本部長は誤審があった場面から試合をやり直すことを訴えた。

 「ルール上はできないだろうが、完全に(判定が)間違いだと認めるなら、特例として検討してほしい。そのくらいの重大さ」

 問題の場面となったのは、3―3で迎えた延長10回2死一塁。ファウルと判定された中村晃が放った右翼ポール際への飛球に対し、工藤監督がリクエストによるリプレー検証を要求した。判定は本塁打に覆り、試合はソフトバンクが2点を勝ち越し5―3で勝利。激怒した福良監督が試合後に2度にわたる猛抗議を行い、試合後に再検証した審判団がファウルだったと認めた。

 友寄審判長は判定が覆った経緯について「(試合中と試合後に)同じ映像を見たが、リプレー検証のしかたが間違っていた。コマ送りのシーンがずれていた」と打球が見える状態で映像を止められなかったと説明。続けて「このようなことがないよう、来季に向けて改善する」と語った。

 オリックス側は他にリクエストの運営の在り方の検証などを要望。仲野統括は試合続行に関し「規約にのっとれば認められない」との見解を示したが、1954年6月16日の近鉄―東映戦でインフィールドフライの判定を巡って当該プレーからやり直した例があり、今後の行方が注目される。

 ▽野球規則7・04(提訴試合)

 審判員の裁定が本規則に違反するものとして、監督が審議を請求するときは、各リーグは試合提訴の手続きに関する規則を適用しなければならない。(中略)審判員の裁定が本規則に違反するとの結論が出た場合であっても、リーグ会長において、その違反のために提訴チームが勝つ機会を失ったものと判断しない限り、試合のやり直しが命ぜられることはない。

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