阪神ドラ1馬場、堂々6回1失点デビュー 金本監督「合格点」

[ 2018年6月22日 05:30 ]

交流戦   阪神3―3オリックス ( 2018年6月21日    甲子園 )

阪神先発の馬場(撮影・坂田 高浩)
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 阪神のドラフト1位・馬場皐輔投手(23)が交流戦の最終戦となった21日のオリックス戦(甲子園)でプロ初登板初先発し、6回1失点。勝利投手の権利を持ったままの降板となったが、救援陣がつかまり勝敗はつかなかった。それでも胸を張れる、堂々のデビュー戦だった。

 1点ビハインドの6回2死一塁。本塁打を浴びていたロメロを迎え、馬場はギアを上げた。「僕のなかでは、カギになる部分だったので。気持ちが入ったのかなと」。2球で追い込み、3球目はこの日最速の147キロでファウル。最後はカウント1―2からの6球目、外角高め128キロスライダーで空振りを奪い、投げきった。

 「まだまだな部分もありますし、良い球も何球かありましたが、全てが良かったわけではない。しっかり練習して、勝てる投手を目指して練習します」

 直後の攻撃で糸井が逆転適時打を放ってくれて、一時は「初星」の可能性を手にしたが、救援陣が踏ん張れずにお預けに。それでも、勝ちに等しい力投だった。記念すべき第1球は141キロの速球で、宗を押し込み中飛に打ち取ると、無失点で立ち上がった。唯一の失点は2回1死から。ロメロへのスライダーが甘く入り、左中間スタンドへ特大のプロ初被弾を記録した。

 だが、「1球の怖さを思い知りました…」と洗礼を浴びても大崩れはしない。3、5回は3者凡退で、4、6回はいずれも走者を背負いながら後続を断った。5回まで味方打線が無安打と苦しいなかで見せた好投で、金本監督をうなずかせた。

 「ストレートの走りが、ファームでの良い時の走りじゃなかったから心配はしたけど。うまく変化球を使ってね。6回1失点ですか。合格点ですね」

 即戦力右腕の触れ込みで入団するも宜野座キャンプの実戦で結果を残せず、開幕2軍スタート。さらには「右足の張り」で別メニュー調整期間もあり、ファームの先発ローテに定着したのも5月からと出遅れていた。2位・高橋遥、5位・谷川と同期入団が先に1軍デビューするなかでも焦らず、じっくり牙を研ぎ、やっとベールを脱いだ。

 「3者凡退も、ピンチもあったけど、すごく良い勉強、経験になったと思います」

 今後は一度、登録抹消される方向だが、次回登板も1軍のマウンドが濃厚だ。手厚い先発陣にまた1人、楽しみな若虎が加わった。

 ◆馬場 皐輔(ばば・こうすけ)1995年(平7)5月18日生まれ、宮城県出身の23歳。小3から野球を始め、仙台育英では2年秋の明治神宮大会で優勝。3年は春夏連続で甲子園出場。仙台大では1年春から仙台六大学リーグに登板し、67季ぶり優勝に貢献。エースの4年秋もリーグ制覇でベストナイン選出。17年ドラフト1位で阪神入団。3位の熊谷とは仙台育英以来のチームメートになった。1メートル80、90キロ。右投げ右打ち。

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