阪神・中谷V弾 昨年7月以来3番「仕留めることができた」

[ 2018年6月16日 05:30 ]

交流戦   阪神4―0楽天 ( 2018年6月15日    楽天生命パーク )

<楽・神>6回、中谷が左中間に先制2ランを放つ(撮影・岩崎 哲也)
Photo By スポニチ

 気温13度に、降り注ぐ霧雨。仙台の夜と同じく冷え切っていた猛虎打線を、中谷が一振りで活性させた。0―0で迎えた6回1死二塁。2ボール1ストライクからの4球目、辛島の失投を見逃さなかった。外寄り高め直球を完璧に捉えると、白球は左中間席中段へ。先制の3号2ランは決勝打となり、藤浪に復活星をもたらした。

 「なかなか捉えきれない状況が続いたけれど、甘くなったボールを自分のスイングで仕留めることができた」

 1、2打席目ともチェンジアップをバットの先に当てての内野ゴロ。「前(投手側)に出すぎていたので、後ろからボールを見れるように」。反省を踏まえた3度目の対戦では、左足の上げ方を微調整していた。

 札幌から仙台への移動試合だったこともあり、福留が積極的休養を取った。そこで代役として3番を任されたのが中谷。前日の日本ハム戦では4打数無安打と振るわなかったが、昨年7月22日以来となる大役に最高の結果で応えた。

 20本塁打を放ち、昨オフには年俸増を勝ち取った。待望久しい右の大砲の出現に周囲は沸いたが、中谷の胸中は違った。

 「(年俸が)上がったら、その分“クビ”に近づくと思った方が良いよな…。来年、求められるモノが高くなる中で結果を出せなかったら、実際にそうなると思う」

 ただがむしゃらにやれば良かった、昨年までとは違う。「中心選手になるだろう」という期待に応えなければならないシーズン。その重圧からか、今季はキャンプから不調が続いた。開幕はまさかの2軍。ウエスタン・リーグでも突出した数字は残せなかった。

 それでも、起爆剤として5月22日に初昇格を果たすと、以来、出場19試合で打率・275、3本塁打、11打点の数字を残す。若虎がことごとく跳ね返されている“2年目の壁”を、打ち破る日はもう目の前だ。(巻木 周平)

続きを表示

2018年6月16日のニュース