阪神 今季最多16安打で打線上向き 金本監督「殻を破りつつあるのかなとは思います」

[ 2018年6月14日 05:30 ]

交流戦   阪神7―8日本ハム ( 2018年6月13日    札幌D )

4回1死満塁、陽川は左中間に走者一掃の適時二塁打を放つ(撮影・大森 寛明)
Photo By スポニチ

 貧打とはもうおさらばだ。阪神は13日の日本ハム戦(札幌ドーム)に7―8で敗れたが、今季最多16安打を放った打線が復調気配。最大5点あったビハインドを1点差まで追い上げる粘りを見せた。

 「あと一歩」だった。9回に1点差につめ寄り、なおも2死三塁。右翼席からこの日一番の声援が響くなか、原口が空振り三振に倒れた。ただ、一時は5点ビハインドと敗色濃厚だったゲームを「勝利」の2文字が頭に浮かぶまで盛り返した事実に、金本監督も手応えを感じ取った。

 「打線はやっとね。昨日、今日とね。今日もいい投手だったし。殻を破りつつあるのかなとは思います」

 悩みの種だった「貧打線」が日本ハムの強力投手陣を攻略したから価値がある。まずは1点先制された直後の4回、糸井、中谷、鳥谷の3連打で1死満塁とし、7番陽川が「初球から行こうと思っていた」と、相手先発・上沢の真ん中フォークを捉えて左中間を破る走者一掃の適時二塁打にしてみせた。自己最長の7試合連続安打でここまで既に5勝、防御率トップだった上沢を攻め立てた。

 5点ビハインドの7回に3番手・宮西から糸井、鳥谷の適時打で3点差とすると、最終9回。有原に2死無走者まで追い込まれても、中谷が2試合連続猛打賞となる左前打で出塁し、鳥谷も3安打目となる中前打でチャンス拡大。「飛んだところが良かったような感じはするけど、ヒットになるのは良いこと」。クールな繋ぎに応えたのが、続く陽川の代打・伊藤隼だ。

 「初対戦でしたが、映像を見てイメージできていた。前のバッターへの攻め方を見て2つ(球)見逃せたので、3球目に甘い所にきたのかな、と」

 2球続いたカットボールを見極めて3球目、真ん中145キロを完璧に捉えて右中間へ。フェンスまで届いた打球は一度、右翼手・太田のグラブに収まったが、こぼれて2走者を還す適時二塁打となった。同点まで至らなくても執念を見せた打線に、指揮官の口調はなめらかだった。

 「ベテランと若手と、中堅の隼太あたりにバランス良くタイムリーが出たからね。前向きに捉えたいしね。チームとして、自信を持って欲しいですね」

 今季最多の16安打で、糸原、中谷、鳥谷と今季初めて3人の猛打賞が出た。借金は再び2に増えたが、前を向ける敗戦だった。

続きを表示

2018年6月14日のニュース