ソフトB 市川 逆転2点弾 古巣を相手に決勝打「人生で一番飛んだ」

[ 2018年6月14日 05:30 ]

交流戦   ソフトバンク4―2巨人 ( 2018年6月13日    ヤフオクD )

5回1死一塁、左越え本塁打を放った市川はナインの出迎えを受ける(撮影・中村 達也)
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 ソフトバンクは13日、巨人を4―2で下し貯金を3とした。1点を追う5回に市川友也捕手(33)が左越えに逆転2号2ランをマーク。10年から4年間在籍した古巣を相手に決勝打を放った。チームは交流戦の勝敗を8勝5敗とし、4年連続の交流戦最高勝率に望みをつないだ。

 打球は、左翼席中段まで飛んだ。1―2の5回1死一塁。工藤監督から「一発かっ飛ばしてこい」と声をかけられた市川が、初球の144キロ直球を捉えた。打った瞬間、スタンドインを確信する手応えに「人生で一番飛んだ」とお立ち台で笑いを誘った。

 試合をひっくり返した一打には、感謝の思いが詰まっていた。プロ野球人生をスタートさせた巨人には、10年から4年間在籍した。「苦しいことばかりでしたけど、今役立っている。活躍している姿を見せられて良かった」と振り返った。この日の一発は、かつて2軍でバッテリーを組んだことがある今村からマークした。

 巨人での4年間は1軍出場はわずか9試合。ヒットは1本も打てなかった。球界を代表する正捕手・阿部の壁は厚く「存在が凄すぎて…。プロは凄いなと思った」と当時を回想する。トレードで移籍した日本ハムで頭角を現し、日本一も経験。大谷(現エンゼルス)の165キロの球を受けたことは、いい思い出だ。そして、9年目の今季はシーズン開幕後に2度目のトレードでソフトバンクへ。「日本一のひと駒に」と思いを新たにした。

 現在は昨季ゴールデングラブ賞を獲得した甲斐とベテラン・高谷の捕手3人制。「同じ捕手は3人もいらない。自分の色を出して、力になれるように」と話す市川に、工藤監督は「真っすぐの使い方が上手。打者に考えさせるリード」と評価する。福岡での単身ホテル暮らしは「一人寂しく」と苦笑いだったが、今月2日に家族の引っ越しが完了。「精神的にも支えになる」と野球に集中する環境が整った。

 「自分が出るときはしっかり準備をして」と市川。欠かせないひと駒になるために、自らの役割に徹している。

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2018年6月14日のニュース