不祥事乗り越え…西武 今井 プロ初登板初先発で白星 球団では松坂以来19年ぶり

[ 2018年6月14日 05:30 ]

交流戦   西武7―4ヤクルト ( 2018年6月14日    メットライフD )

初勝利を挙げた西武・今井 (撮影・白鳥 佳樹)
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 西武の今井達也投手(20)が13日のヤクルト戦でプロ初登板初先発で初勝利を挙げた。最速152キロの直球主体の投球で、6回5安打1失点に抑えた。初登板初先発で初勝利を手にするのは、球団では99年松坂大輔(37=現中日)以来、19年ぶりの快挙。今年2月に未成年喫煙で対外試合出場停止処分を受けた2年目右腕が、プロとして新たな一歩を踏み出した。

 時間がかかった分、今井はためていた力の全てを解放した。直球は自己最速タイの152キロを計測。攻めた。押した。6回112球を投げ5安打1失点。球団では99年松坂以来の初登板初先発での初白星は、4カ月前には想像もできなかった。

 「落ち着いて、いい緊張感の中で楽しく投げられた。初登板で勝てて自信になる」。初回は3者凡退。直球13球のうち12球が150キロ超だった。2回は10球全て直球で3人斬り。3回に味方の失策で失点したが最少失点で切り抜け「ピンチで低めに投げられた。真っすぐで抑えられたのも良かった」と話した。

 寄り道、回り道。その全てが糧となった。16年夏の甲子園優勝投手として藤平(楽天)らと「高校BIG4」と騒がれながら、大トリでの1軍デビュー。昨年は右肩痛、今年は2月に未成年での喫煙行為が発覚し、4月いっぱいまで約3カ月間の対外試合出場停止処分となった。

 「もう一度しっかり野球と向き合う、いい機会になった」。ユニホーム着用を禁止される中、黙々とウエートトレに集中。体重は5キロ増の75キロに。先発を見据えてスタミナ面を強化し、高校時代に投げていたチェンジアップも実戦用に磨いた。

 母・江利子さん(47)から掛けられた言葉が、常に脳裏にあった。「みんなが注目しているんだよ」。きつく叱られ、「野球が仕事。野球一本でという自覚を持たないと」と覚悟が芽生えた。今では同学年ながら新人の伊藤に「僕の方が先輩だから」と若手のしきたりなどを伝える。潮崎2軍監督も「無駄じゃなかった。大人になった」と喜んだ。

 辻監督は1軍に呼んだ際「(喫煙は)もう終わったこと。おまえの野球人生。しっかり仕事をしろ」と伝えた。チームの連敗を3で止める投球に「見事だった」と目を細めた。次回は交流戦明けに先発予定。遅れてきたエース候補には無限の可能性が広がる。 (鈴木 勝巳)

○…高卒2年目の今井(西)がプロ初登板で初勝利をマークした。2リーグ制以降、甲子園優勝投手がプロ初登板で白星を挙げるのは11年の斎藤(日)、福井(広)に続き7年ぶり7人目。高卒に限ると99年にルーキーの松坂(西)が記録して以来19年ぶり5人目だ。なお、1リーグ時代には藤村富美男(神)34年夏=呉港中、真田重蔵(朝日)40年夏=海草中、らも初登板初勝利している。また、西武の初登板初勝利は01年3月27日オリックス戦の帆足和幸以来17年ぶり。帆足は救援登板での記録で、先発に限れば99年の松坂以来だ。

 <両親に勝利球>試合後、今井は父・一也さん(50)、母・江利子さんにウイニングボールを手渡した。「今まで迷惑を掛けてきた。まだ恩返しは足りない」と今井。ボールを受け取った一也さんは「ずっしりきた。本当に自分のせがれかな、と思うぐらい」と感激した。江利子さんは試合中から号泣。「皆さまに(未成年喫煙で)ご迷惑を掛けた。本人にとっても(初白星は)宝物、支えになると思う」。そして「素敵な息子です」と喜んだ。

 ◇今井 達也(いまい・たつや)1998年(平10)5月9日生まれ、栃木県出身の20歳。鹿沼北小1年から野球を始め、作新学院では3年夏の甲子園にエースとして出場。尽誠学園(香川)との2回戦で13奪三振完封など、全5試合で4完投の活躍で54年ぶりの全国制覇。同年のU―18アジア選手権で優勝を果たした。16年ドラフト1位で西武入団。1メートル80、75キロ。右投げ右打ち。

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