東日本国際大 10年ぶり8強 粟津 潮崎流シンカーで完封 

[ 2018年6月14日 05:30 ]

第67回全日本大学野球選手権第3日   東日本国際大2―0京都学園大 ( 2018年6月13日    東京Dほか )

9回9安打完封勝利で8強入りに貢献した東日本国際大・粟津(撮影・木村 揚輔)
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 2回戦6試合が行われ、8強が出そろった。東日本国際大は2―0で京都学園大を破り、10年ぶりの8強進出。プロ注目の右腕・粟津凱士(かいと)投手(4年)が今大会初先発し、9安打を許しながら完封した。慶大は苫小牧駒大に11―0で5回コールド勝ち。東洋大は九産大に3―10で敗れ、東都リーグ代表では今大会初のコールド負けとなった。

 最後の打者を得意のシンカーで投ゴロに打ち取ると、粟津は右手でガッツポーズを決めた。無四球完封で10年ぶりの8強に導き、「要所で粘ることができた。9回を0で抑えられてよかった」と笑顔で汗を拭った。

 山本学園2年秋に背番号1を背負って山形県大会優勝に貢献。しかし、3年夏はエースの座を譲り、登板機会なく山形大会初戦で敗れた。「高校で野球はやめようと思っていた」。ところが、東日本国際大に進学予定だった同僚が引退することになり、代わって入学し「情けで入れてもらった」と苦笑いする。

 大学では3年時に右横手から、腕を少し上げたスリークオーターにすると急成長。1年から主戦の船迫(ふなばさま)と二枚看板を担うまでになった。高校時代から封印していたシンカーも解禁した。同球種を武器にした西武・潮崎哲也(現2軍監督)の握りを動画で研究し、同じように中指と薬指で挟んで磨き上げた。

 前日の初戦では船迫を救援し、完封リレー。連投となったこの日は130キロ台後半の直球に110〜120キロ台で球速を自在に操る魔球を織り交ぜる。9安打を浴びながら最後まで得点を許さず計12回2/3を無失点だ。

 視察したDeNAの武居邦生スカウトは「指名されるチャンスが出てきたのでは」と評した。ドラフト戦線に一躍浮上してきた、みちのくの変則右腕。きょう14日の準々決勝は11年ぶりの4強入りを懸けて慶大と激突する。「つらい戦いが続くが勝てるように頑張りたい」。その目には自信がみなぎっていた。 (松井 いつき)

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2018年6月14日のニュース