ヤクルト セ2位タイ浮上 地味に凄い勝利の方程式は“KNI”

[ 2018年6月13日 05:30 ]

交流戦   ヤクルト3―1西武 ( 2018年6月12日    大宮公園 )

<西・ヤ>勝利のナインを笑顔で出迎える(右から)近藤、石川、中尾、カラシティー (撮影・久冨木 修) 
Photo By スポニチ

 交流戦首位のヤクルトが12日、西武を破って3連勝を飾った。交流戦10勝2敗の快進撃で、5月25日の時点で最大11あった借金はついに「1」。2〜5位が0・5ゲーム差にひしめくセ・リーグで2位タイに浮上した。原動力は救援陣。近藤一樹投手(34)、石山泰稚投手(29)は交流戦無失点で、勝ち運抜群の中尾輝投手(23)と3人で勝利の方程式を形成している。

 9回2死。外崎をスライダーで空振り三振に斬った石山は、少しだけ頬を緩めた。自己最多タイの10セーブ目を挙げた守護神を、アイシングをした近藤、中尾が迎える。小川監督は3人の姿に「登板数が多いのが気になるけど、頼ってしまう。よく投げてくれている」と目を細めた。

 「石川さんが変化球多めで低めに丁寧に投げた。それを参考にしました」。先発のベテランがまいた種で、石山が勝利の花を咲かせた。交流戦に入り、全8試合無失点と崩れる気配を見せない。

 交流戦のチーム防御率2・56は12球団トップ。中でも救援陣の安定感は光る。この日は7回無死一塁を残して降板した石川の後、まず近藤が出た。外崎には四球を与えたが、1死を取ると、森を低めの変化球で二ゴロ併殺に仕留めてみせた。

 8回は中尾。中継ぎながらブキャナンに並ぶチーム最多の5勝を稼ぐ左腕は、1回を1安打で零封した。2年目の23歳は投手陣最年少。ブルペンで肩をつくるまではホワイトボードに相手の打席結果を記したり、スコアをメモ。球数が出ない球場ではカウンターで数える作業を担う。「(送り出す投手に)水を渡したり、リュックを(ベンチへ)預けたり、けっこうバタバタしてます」。地味な作業もチームの支えだ。

 開幕時は実績十分の秋吉がセットアッパーで、新助っ人カラシティーが抑え。好結果が続かず、勝ちパターンに入っていた石山が後ろに回り、勝ち負け問わず投げていた近藤、中尾が「方程式」に入った。近藤は交流戦で全5試合無失点。「石山が支えてくれています」と言えば、投手主将の石山は「僕は何もしてないですよ」と返す。トークの歯車まで軽妙にかみ合う。

 交流戦10勝一番乗りで、9年ぶりの勝ち越しが決定。バーネットら、強力救援陣で優勝した15年の戦いがよみがえる。 (細川 真里)

続きを表示

2018年6月13日のニュース