【岩手】「はなとう」県勢最高タイ4強 菊池雄星擁し、聖地で躍進

[ 2018年6月13日 08:00 ]

第91回大会準々決勝   花巻東7―6明豊 ( 2009年8月21日    甲子園 )

<明豊・花巻東>試合後、明豊先発の今宮健太投手(内野手=右)と握手を交わす花巻東先発の菊池雄星投手(左)
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 【スポニチ社員が選ぶわが故郷のベストゲーム】この夏、全国高校野球選手権大会は100回目。ふるさとチームの甲子園での活躍に熱くなった記憶を、北北海道から沖縄まで、今夏の代表校数と同じ56人のスポニチ社員がつづります。

 「はなとう」。地元では略してこう呼ばれる花巻東が甲子園を沸かせたのは、9年前の夏だった。オール岩手県人で「岩手から日本一を」を合言葉に進撃。今や日本最高の左腕となった怪物・菊池雄星を擁し県勢最高タイの4強に進出した。中でも記憶に残るのが大分代表・明豊との準々決勝だ。準優勝したセンバツ2回戦の再戦となった両校、雄星と今宮両雄の対決を見逃すわけにはいかぬと甲子園へ馳せ参じた。

 4回まで完全に抑え込んだ雄星の快刀乱麻を断つ投球、スタンドがざわついた5回突然の変調(肋骨の疲労骨折だった)、緊急登板となった三塁手・猿川の決死の救援、4点リードから逆転されるも9回に横倉が執念の同点打、そして延長10回、川村主将の意地の決勝打と、劇的な展開に手に汗握った。

 佐々木洋監督の下、一塁を遠くまで駆け抜ける全力疾走、自らを鼓舞する声出しなど強い印象を残したチームだった。中堅手・佐藤涼が負傷治療を終えてポジションに向かう時の満面の笑みと、それに送られた拍手と声援は今も心に刻まれている。

 ちなみにこの年、岩手大会決勝で相対したのが我が母校・盛岡一。31年ぶり10回目の夏の甲子園を懸け「左の菊池」雄星に対し「右の菊池」達朗が劣らぬ熱投、息詰まるほどの投手戦の末、1―2で敗れた(これも岩手県営野球場で観戦)。母校があと一歩で甲子園を逃した悔しさは消えないが、聖地での「はなとう」の躍進と相まって忘れられない夏となった。

 ◆長崎 伸一(東京本社編集センター)盛岡一出身、野球部。4番で挑んだ3年の夏は県16強で花巻東に敗れて終わる。

 <岩手データ>

夏出場回数 76回(通算39勝75敗1分け)

最高成績 4強4回(盛岡中=1917、19年、花巻東=2009、13年)

最多出場 福岡、盛岡大付(10)

最多勝利 花巻東(10)

出場経験 23校、うち未勝利11校

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