阪神ドラ5谷川 プロ初勝利 窮地で粘った1回零封「ラッキー」

[ 2018年6月3日 05:30 ]

交流戦   阪神10―5西武 ( 2018年6月2日    メットライフD )

<西・神>プロ初勝利を挙げた谷川はウイニングボールを手にニッコリ(撮影・成瀬 徹)
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 窮地での粘りが幸運を呼んだ。阪神のドラフト5位・谷川が2番手で5回から登板。2死満塁のピンチを何とかしのぐと、直後の6回に味方打線が逆転に成功し、嬉しいプロ初勝利が転がりこんだ。

 「どうにか抑えられたので良かった。(初勝利は)こんなに早く来るとは思わなかった。ラッキーですね」

 出身の九州三菱自動車では営業マンを務めながら、プロを目指した。早朝6時に起床し球場で汗を流すと、午後からはスーツに着替えて会社を飛び出す。「訪問ノルマというのもあって、一日20店舗ぐらい回らないといけない日もたくさんあったので…」。ある日には、納車が前日に迫った車を車庫入れする際に壁にぶつけ「人生終わったと思った」と絶望の淵に立たされたこともあった。

 革靴をすり減らしながら車を売り、グラウンドでは白球に夢を乗せた。「あの社会人での辛い、しんどい経験を思うと、プロでも、どんなことでも耐えられると思いますね」。失敗も経ながら成長した日々を、25歳は全く恥じらうことなく、誇りだと胸を張る。そんな苦労人に勝利の女神は優しく微笑んだ。

 プロ断念のリミットだった社会人3年目の秋に受けた阪神からのドラフト指名から約8カ月。プロ初登板だった5月10日巨人戦以来m2試合目の登板で白星を手にした。関東に住む兄、故郷・福岡から駆けつけた両親も生観戦する前で恩返しもした。

 「(反省は)初球の入り方ですね。しっかり反省したい」。プロとして踏み出した一歩を噛みしめながらも、さらなる成長へ気を引き締め直した。(遠藤 礼)

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2018年6月3日のニュース