阪神・鳥谷 代打で痛烈一打「とりあえず持ち場で頑張る」

[ 2018年5月31日 05:30 ]

交流戦   阪神3―6ソフトバンク ( 2018年5月30日    甲子園 )

9回1死一塁、右前打を放つ代打・鳥谷(撮影・成瀬 徹)
Photo By スポニチ

 敗戦濃厚の9回に4万1165人から大歓声がわき起こった。1死一塁から阪神・鳥谷が代打コールされると、虎党の温かい拍手の中で打席に向かった。通算2019試合目の出場はベテランにして「すごかったね!」と驚くものだった。

 「(伊藤)隼太が(塁に)出ていたということもあったし、何とかつないでいけたらと思っていた」

 わずか2試合ぶりだが、鳥谷にとっては長い長い2試合ぶりの出場だった。それでも、平常心を失うことなく、フルカウントから森の内角カットボールを確実にとらえた。強振した痛烈な一打は右前で弾んだ。22日ヤクルト戦以来の安打は、再出発への号砲でもあった。

 前日29日は出番がないまま終わり入団1年目の04年9月9日ヤクルト戦からスタートした連続試合出場は歴代2位の1939試合で止まった。一夜明けたこの日は今まで通り、何ら変わらぬ姿と行動で試合への準備を進めた。オフの自主トレーニングをともにしてきたロッテ・井口監督からは「自分としては悲しいしつらいこと。出続けたすごさはみんなが分かっている。敬意を表したい」との言葉を送られた。

 金本監督は「引っ張ってのヒット。今日は練習からちょっと違って、いいなと思ったからね。期待はしていた」と、期待通りの一打にも目を細めた。

 「再スタートというのはないですけど。とりあえず持ち場で頑張ります」

 大記録には終止符が打たれたが、シーズンはもちろん、現役生活もまだまだ続いていく。チームの勝利にこだわり続けることも、もちろん変わらない。05年以来のリーグ優勝を誰よりも夢見る背番号1が再び大きな一歩を踏み出した。(山本 浩之)

続きを表示

2018年5月31日のニュース