広島、劇的逆転サヨナラ!10回4点 緒方監督「底力見せてくれた」

[ 2018年5月31日 06:45 ]

交流戦   広島8―7西武 ( 2018年5月30日    マツダ )

10回無死一、三塁、堂林は左前適時打を放つ(撮影・坂田 高浩)
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 広島が30日の西武戦(マツダ)で奇跡的な逆転サヨナラ勝利を挙げ、連敗を3で止めた。延長10回、3点を勝ち越された直後に途中出場の堂林、下水流らの適時打で追いつき、最後は1死満塁から鈴木が押し出し四球を選んだ。

 鮮やか過ぎる大逆転勝利だった。6番手のアドゥワが3点を勝ち越され、土俵際に追い込まれた延長10回。あきらめない男たちが一丸でミラクルな劇勝を呼び込んだ。36分間の降雨中断を挟んだ激闘を制し、緒方監督は興奮気味に振り返る。

 「凄い試合だったね。最後まであきらめずにやってくれた。途中から出た選手も底力を見せてくれた。連敗が止まって良かった」

 10回先頭の野間が口火を切った。左腕・武隈から、猛打賞を決める一打を中前へはじき返すと、会沢の右前打に敵失が絡んで二、三塁。劇勝の機運を盛り上げたのは西川だ。遊撃への適時内野安打。プロ初の猛打賞となる4安打3打点の活躍に声がはずむ。

 「前の2人が安打、安打できたので思い切っていくだけだった。これ(4安打)が自信になると思います」

 なおも無死一、三塁の好機。バティスタに代わって昇格したばかりの代打・堂林もヒーローの一員だ。カウント2―1からのチェンジアップを捉え、三遊間を割る執念のタイムリー。場内には大歓声がこだました。

 「最高に気合が入る場面。開き直っていった。点が入ってホッとしました」

 1点差。こうなれば勢いは止まらない。田中の犠打、菊池の申告敬遠で築いた1死満塁の絶好機。途中出場の下水流も勝負強さを発揮した。2―2からの内角直球を強振し、価値ある左前同点打。ミラクル劇を完結させたのは4番・鈴木だ。

 冷静にボール球を見極め、カウント3―1から押し出し四球を選んだ瞬間、右手を突き上げた。逆転のカープの神髄を見せつける、4月19日のヤクルト戦以来、今季2度目のサヨナラ勝利。チーム一丸の赤ヘルは連敗を3で止め、両リーグ首位決戦を五分に戻した。(江尾 卓也)

 ≪球団初の延長3点差逆転サヨナラ≫広島が4月19日ヤクルト戦に続き、今季2度目のサヨナラ勝ち。延長戦での3点差逆転勝利は48年7月10日急映7―6南海(10回)、66年8月18日東映7―6阪急(11回)、01年3月28日オリックス10―9西武(10回)、同年7月9日ロッテ10―9ダイエー(10回)、04年8月11日横浜8―7阪神(10回)、07年4月20日阪神5―4巨人(12回)に次いで7度目。広島では10年8月27日巨人戦で11回5―7から4点を奪い9―7でサヨナラ勝ちしたが、3点差逆転は球団史上初めて。また、本拠地のマツダスタジアムでの西武戦は12年から9連勝へ伸びた。

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2018年5月31日のニュース