中畑清氏 問われる指導者のあり方 理想は「アメフット、地固まる」

[ 2018年5月29日 10:30 ]

中畑氏(右)と恩師の駒大・太田元監督
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 【キヨシスタイル】もう黙ってられないよ。アメリカンフットボールの悪質タックル問題。タックルをした20歳の青年が名前も顔もさらして誠意ある謝罪をしたのに、指示したとされる監督・コーチは学生に責任転嫁して問題を長期化させている。

 改めてアマチュアスポーツの指導者のあり方を考えさせられる。私は恵まれていた。駒大野球部でお世話になったのは太田誠監督。強いチームだったが、野球以前に実社会に出て通用する人間づくりをしてくれた。

 礼に始まり、礼に終わる。十人十色でいろんな人がいる中で、個性をどう生かしていくか。いろんなことを教えてもらった。「学生の本分を忘れるな。授業に出ないヤツは野球部を除名する」が原点。おかげで仲間はみんな卒業証書を持っている。「野球部OB」じゃなく「駒大OB」なんだ。

 私にとって巨人入団当時の長嶋茂雄監督と並ぶ人生の師。卒業後も何かと相談に乗っていただいている。太田さんに教わったから今の自分があると思っている。

 それに引き換え…。「プレーの一部」とはとても思えない反則タックルを指示しながら、「受け取り方の違い」と選手に責任をなすりつけるような指導者を学生が尊敬するだろうか。

 今回唯一の救いは、会見で「続ける権利はないし、やるつもりもありません」と言った日大の宮川泰介選手に対し、タックルを受けた関学大の奥野耕世選手が「またフットボールの選手に戻って、正々堂々とルール内でプレーして、また勝負できたらいいなと思います」とエールを送ったこと。加害者と被害者。立場は逆だけど、痛みを共有した2人に友情が生まれたらいいな。

 日大のアメフット部員が近々声明文を発表し、関東学生連盟も月内に処分を決定するという。司法の判断もある。日大の第三者委員会はそれらを踏まえて原点に立ち返り、大学スポーツ、組織のあり方を見つめ直す結論を導いてもらいたい。

 いずれにしても、ここまで大きな社会問題になって注目されているんだから「アメフット、地固まる」にしてほしいね。日本でアメフットがメジャーになっていくきっかけに。 (スポニチ本紙評論家・中畑 清)

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