阪神・岩貞 また菅野に投げ勝った 16年と同じ1―0

[ 2018年5月26日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神1―0巨人 ( 2018年5月25日    甲子園 )

<神・巨>菅野との投げ合いを制し、金本監督(中央)にねぎらわれる岩貞(左)(撮影・大森 寛明)
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 阪神・岩貞が25日の巨人戦(甲子園)で7回無失点に抑えて3勝目。菅野に投げ勝った。1点も失えないマウンドだった。相手は球界最高の投手。とてつもない重圧、次々に襲うピンチにも粘った。必死にアウトを重ねて、120球の熱投の先に待っていたのは価値ある“金星”だった。

 「日本で一番良い投手なので、なかなか点を取れないと思った。自分のできることはバッター1人、1人を抑えることなので。そこに集中していた」

 2歳上の菅野は、大学2年時に選出された日米大学野球選手権でチームメートになった時から、凄みを知る。投球練習などすべての動作で「丁寧に指先まで意識していた」と驚いた記憶は今でも鮮明。その偉大な先輩との投げ合いは今回で2度目で、16年5月27日の対戦では、敵地でプロ初完封を飾っていた。

 前回同様、高い壁に挑むにあたり、今回も左腕は奮い立った。4回まで毎回、走者を背負いながら、勝負所でギアは上昇。「1週間の調整の中で(内角を意識して)多めに投げた」と8人並ぶ右打者の内角を最速146キロの直球でえぐり、強気の投球を展開した。5回からの3イニングは1安打に封じて7回無失点。菅野には2戦2勝で計16イニングを零封だ。

 左腕がひそかに描く目標がある。13年のドラフト同期入団で昨年患った脳腫瘍からの復帰を目指す横田との1軍での“再会”だ。「少しずつステップアップしてますよね。同期なんで。僕も負けていられないし、横田が帰ってきた時に僕も1軍にいられるようにしないといけないですね」

 昨年、脳腫瘍が寛解し、選手寮に戻った後輩には毛糸の帽子をプレゼントした。先輩の心遣いに横田も「すごくうれしかった。岩貞さんの投げてる試合で打てるようになりたい」と背中を追いかける。

 今季3勝目を手にしても、表情は最後まで緩まなかった。「勝てたので、良いゲームでしたけど、今日の勝ちは忘れて、初心に帰って、もう一回投げたい」。闘志は次戦へたぎったままだ。

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2018年5月26日のニュース