筒香 プロ初1試合3発 打撃フォーム微調整から全開3戦5発

[ 2018年5月20日 06:12 ]

セ・リーグ   DeNA10―2巨人 ( 2018年5月20日    東京D )

<巨・D>7回2死、中前打で出塁した筒香(左)は一塁手・阿部に股間を小突かれ、腰を引く(撮影・吉田 剛)
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 DeNAの筒香嘉智外野手(26)が20日、巨人戦でプロ9年目で初めての1試合3本塁打をマークした。初回に3戦連発となる先制の9号2ランを放つと、4回に2打席連発の10号ソロ。9回にも11号ソロと勢いは止まらなかった。3戦5発の爆発力で、2カード連続の勝ち越しに導く4安打4打点。22日の中日戦で自身最多の4戦連発を狙う。

 再現VTRのような3戦連発は、プロ初となる1試合3本塁打の始まりだった。初回2死一塁。筒香が野上の外角直球を逆らわずに捉えると、打球は130メートル先のバックスクリーン右へ消えた。

 「良いポイントでしっかりスイングできた」。3試合いずれも先制2ラン。場面も2死一塁と、全く同じシチュエーションだった。

 圧巻は2打席連発となった4回の10号ソロ。素早く体を回転させ、初球の内角直球を力いっぱい引っ張った。テレビの中継カメラも追えないほどのスピードで加速した打球は、右翼ポール際後方の看板を直撃。打った本人が「最後は見えなかったので、どこまで飛んだか分からない」と振り返る140メートルの特大弾に敵地・東京ドームは静まり返った。9回にも右中間席中段へ120メートルの11号ソロを放ち「筒香劇場」を締めくくった。総飛距離は390メートルに達した。

 4月29日中日戦を最後に13試合連続でアーチを描けなかった。上半身が投手方向に突っ込んだ状態でミートしようとしていたことが原因だった。結果が出ないことへの焦りもあり「(心理的な問題は)ゼロではない。多少は影響があった」と悪循環に陥った。スランプ脱出のため、18日からフォームを微調整。スタンスを少し広げて開き気味に。さらに右足でのタイミングの取り方を見直した。坪井打撃コーチは「上体が突っ込まないように、右足を下ろすまでに少し間をつくって打つ形に変えた」と明かす。

 その効果はてきめんだ。菅野から61打席ぶりに一発を放つと、3試合で5発。「今は軸がぶれずに回転できている。打つ前に球を捉えられている」と独特な表現を使い、体勢を崩されずにスイングできていることに手応えをつかんだ。ラミレス監督も「3試合で5発はアンビリーバボーだ」と目を丸くした。

 筒香が打線を勢いづかせ、今季最多の6本塁打で大勝。2連勝で貯金1とし、2位・巨人とのゲーム差を0・5に縮めた。「4番が打てば絶対に勝てる。(これからも)打てるだけ打ちます」と本塁打量産を宣言。4戦連発なら自身初めて。完全に自信とオーラを取り戻した4番はどこまでも伸ばす勢いだ。 (重光 晋太郎)

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