天理大 3季連続18度目∨ 権代は連盟新27安打&打率.551

[ 2018年5月21日 06:30 ]

阪神大学野球春季リーグ戦第6節第2日   天理大6―2関西外大 ( 2018年5月20日    南港中央 )

3季連続18度目のリーグ優勝を飾った天理大ナイン
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 2回戦2試合があり、天理大が連勝で勝ち点を5に伸ばして3季連続18度目の優勝を飾った。6月11日に開幕する全日本大学野球選手権(神宮、東京ドーム)に出場する。天理大の権代雄太郎外野手(ごんだい・ゆうたろう=4年)は「1番・DH」でフル出場し、いずれも連盟新となるシーズン27安打、打率・551を記録して優勝に花を添えた。

 新記録の26安打は、あっさりと達成された。権代は3回1死一塁からフォークを捉えて左翼線二塁打。新リーグとなった1982年以降では、同年秋に山本雅稔(大阪経法大)が樹立した25本を超えた。快挙を称えるスタンドからの声援に、ヘルメットを取ってはにかんだ。

 「意識していなかった、と言ったらウソになります。それでも、いつも通りのバッティングができました」

 打ちたい気持ちを抑える冷静な自分がいた。初回先頭の打席でフルカウントから四球を選べたことで、気持ちの整理ができた。5回の第3打席では再び左翼線へはじき返し、27安打目となる2点二塁打。リードを4点に広げ、優勝を大きく引き寄せた。

 昨秋までは控え選手。レギュラー定着のため、何か自分の武器になるものが欲しいと思い、打撃改造に取り組んだ。打席で構えた時にトップの位置を深くすることで、ボールを呼び込む時間が長くなり、コンパクトにバットが出るようになったという。コツをつかんだのは4月の開幕直前。感覚を手放さないためにも、リーグ戦期間中は熱心に練習に励んだ。

 夢中で駆け抜けた12試合。複数安打は9度で、このうち3安打以上の猛打賞は5度を数えた。49打数27安打の打率・551は、13年秋に柳田佑樹(大体大)がマークした・538の連盟記録を塗り替えた。

 亡き後輩のためにも勝ちたかった。昨年8月、部員で1年後輩の福丸和起さんが急性白血病で倒れた。闘病生活の末、今年1月13日に帰らぬ人となった。

 「誰よりも野球が大好きで、努力家のかわいい後輩でした」

 練習の時からグラウンドに「FUKUMARU 5」のユニホームを飾り、チームは結束した。試合後にユニホームを持って胴上げされた藤原忠理監督は「これは僕の胴上げじゃない。チームを1つにしてくれた福丸の胴上げです」。感無量の表情で宙を見上げた。

 権代も6月の全日本選手権に向けて気持ちを新たにする。

 「リーグ戦の記録におごることなく、全国の舞台で結果を出さないと意味がない」

 不動のリードオフマンは自信を胸に力強く進撃を誓った。

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2018年5月21日のニュース