大阪桐蔭 来年の4番候補が3ラン 府大会4季連続V追手

[ 2018年5月20日 05:34 ]

春季高校野球大阪大会準決勝   大阪桐蔭6―3大体大浪商 ( 2018年5月19日    大阪シティ信用金庫スタジアム )

<大阪桐蔭・大体大浪商>6回1死二、三塁、3ランを放つ大阪桐蔭の代打・中野
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 大阪桐蔭が府大会4季連続優勝へ王手をかけた。大阪桐蔭は4回1死二、三塁から石川瑞貴(3年)の左翼線二塁打で2点を先制。6回には1死二、三塁から代打・中野波来(2年)が左翼へ3ランを放った。先発の横川凱投手(3年)は9回を被安打10の13奪三振、3失点で完投した。

 期待の長距離砲がベールを脱いだ。その名は中野だ。2点リードの6回1死二、三塁から代打で登場。2球目を仕留め、左翼席へ豪快な3ランを放り込んだ。背番号8の2年生は「チームが苦しい状況でしたし、詰まってでも1本出したかった。たまたま風に乗りました。(先発の)横川さんを助けることができて良かったです」と屈託なく笑った。

 史上3校目の連覇を成し遂げた今春の選抜は1試合(2打席)に出場したのみ。選抜直後の練習試合で右手甲を骨折し、打撃練習を再開したのは3日前のことだ。「すぐケガをして1か月練習に入れませんでした。遅れていた分、何倍も練習してきた。秋の新チームにつなげるつもりでやっています」。2年生の台頭が待たれる今春。将来の主砲としてその自覚は十分だ。

 今秋ドラフト1位候補の藤原恭大が右膝負傷の影響で今春はベンチ外。代わって背番号8をつけるとあって、首脳陣の期待の高さをうかがわせる。西谷浩一監督は「ケガがなければ、今春はフルイニングで経験させたかったくらい。中野は、特に左投手に強い。次の代にクリーンアップを打たせたいと思っています」。将来の4番候補として構想を描く右のロングヒッターがよくやく覚醒した。

 兵庫県淡路島の出身。寮生活での自立と日本一を目指し、大阪桐蔭の門を叩いた。名前は波来と書いて『はる』と読む。父はかつて「たこフェリー」で船長を務め、母はサーフィンが得意だったことから名付けられたという。由来は『いい波がくるように』――。藤原を脅かすような存在になれば、チームの底力は格段に増すだろう。遅れてきた2年生の大器が大阪4季連続Vの起爆剤になる。(吉仲 博幸)

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2018年5月20日のニュース