阪神ロサリオ 不振から連敗から脱出撃同点打 猛打賞!お兄ちゃんやったよ

[ 2018年5月19日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神2―1中日 ( 2018年5月18日    ナゴヤD )

<神・中>6回2死、ロサリオは同点適時打を放ち、ベンチを指さして笑顔を見せる
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 阪神は18日の中日戦に2―1で競り勝ち、連敗を2で止めた。打撃不振のウィリン・ロサリオ内野手(29)が10試合ぶりの猛打賞となる4打数3安打1打点の活躍。0―1の6回2死一、三塁から中前同点適時打を放つなど、先発のルーキー・高橋遥を援護し、自身の復調への兆しを見せた。

 初球を迷わず振り抜いた。大好きな野球を楽しむ――。自らの原点と言える思いを胸にロサリオは打席に立った。0―1の6回2死一、三塁の第3打席。小笠原の直球をしっかりとミートし、左腕のグラブをはじき飛ばす中前同点適時打だ。8試合、34打席ぶりの打点で試合の流れをグイッと呼び寄せた。

 「コースに逆らわずに、センター方向へアジャストすることができた。チームに貢献することができて良かった。“野球を楽しみたい”と思ってきょうはやっていたんだ」

 口には出さなくても悩み、苦しんでいたことは明白だった。不動の主砲と期待されながら、5月に入って打率は下がる一方。本塁打もまだ3本で、12日の広島戦から打順も4番から5番に降格した。何とかトンネルを抜けようと、15日のDeNA戦から左足を上げる新打撃フォームも試したが、わずか2試合で断念。前日までの7試合で28打数1安打と、どん底だった。

 それでも下だけは向かず、試行錯誤を続けてきた。球場のみならず、神戸市内の自宅でも来日中の兄に手伝ってもらって練習。フローリングの床にビニールテープでホームベースと打席を描き、小さなボールでティー打撃を繰り返した。試合前には金本監督から「お兄ちゃん、来たらしいな」と声をかけられ、笑顔で談笑する一幕も。不振の間はどうしても考えすぎになりがちだが、楽しむ心を思い出しながら臨んだことが好結果を呼んだ。

 4回の第2打席は強烈な弾道を描き、ワンバウンドでフェンスに当たる左前打。8回1死一、二塁では右前打で好機を拡大し、5日の広島戦以来4度目の猛打賞をマークした。左、中、右と打ち分けた内容にも「きょうはいい日だったと思うので、これを続けないと意味はない」と気持ちを引き締め直した。

 チームメートや日本文化には確実に慣れてきている。遠征先では通訳を伴わずに同僚とバーに繰り出し、お気に入りのサントリーウイスキー「山崎」を楽しむ。練習姿勢や人格には首脳陣の信頼も絶大。後はバットで本領を発揮してくれるだけだ。この日の3安打がその日が近いことを予感させた。(山添 晴治)

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