投手もバットで貢献を 広島・岡田が与えるコイ投の打撃への好影響

[ 2018年5月19日 11:00 ]

広島投手陣の柱・岡田は打撃でも好影響を与える
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 投手の凡退は責められない。ただ、投手自身が、打てなかったことを“仕方ない”と受け入れてしまうか、“今度こそ”と悔しがるか。この差は大きい。そして、広島の投手陣の多くが、後者と言える。

 広島の今季の投手打撃成績は18日時点で、76打数10安打。打率・132は巨人に次ぐリーグ2位だ。決して、偶然ではない。わずかでも打線の力になりたいと願う投手陣の努力の結晶と言っていい。そして、コイ投に打撃面で好影響を与えるのが、岡田明丈投手(24)だ。

 「(打撃は)プロに入ってからという感じなんで。まだやり始めです(笑い)」

 言葉通り、岡田は打撃を「始めた」のだ。コイ投で最も多い打撃練習量を自主的に課す。1年目はわずか2安打で打率・074、打点は0。ここから、次第に努力が実を結ぶ。2年目は6安打で打率・128と上昇。投手では打撃自慢のDeNA・ウィーランドに次ぐリーグ2位の8打点をあげるまでに成長した。

 そして3年目の今季。オフ期間中は、マツダスタジアムの屋内練習場で最後まで居残ってマシン打撃を行うこともあった。1月下旬、宮崎での先乗り合同自主トレでは、野手に交じってロングティーで豪快なスイングを繰り返し、投手練習後にフリー打撃を行う日も少なくなかった。

 「少しでも、チームの流れに加われるようになりたい。1点でも取れるような、次につなげられるような打撃ができれば、もっと勝ちやすくなると思う」

 今季初登板となった4月5日ヤクルト戦(神宮)。いきなり自らの打撃が白星に結びついた。0―0の5回1死から8球粘って左前打。これが丸の決勝3ランにつながり、今季1勝目を手にした。

 東出打撃コーチは言う。「普段から振っているから打てる。去年だって、自分で打ったから12勝もできたわけでしょ」。今季は、早くも昨季の安打数の半数となる3安打をマーク。打率・167と成長は止まらず、“本業”でも順調に4勝をあげている。

 コイ投の中で随一の打力を誇る中村祐も、自らのバットで今季1勝をたぐり寄せた。今季初登板だった4月18日ヤクルト戦(マツダ)。0―0の3回無死一、三塁からヤクルト・ハフの内角の直球をうまく腕を折りたたんで中前適時打とした。これが決勝打となり「3球振って帰ろうと思っていました(笑い)」と振り返った。

 岡田との違いは、元々非凡な打力を持ち合わせていること。関東第一では中軸を担い高校通算16本塁打を放った打力の持ち主だ。それでも、センスだけで打った一打ではない。1月下旬、宮崎での先乗り合同自主トレでは、岡田に影響されるかのように、打撃練習を欠かさなかった。オフ期間の小さな積み重ねは、春先に花開いた。

 12日阪神戦(マツダ)、プロ初の決勝打を放った大瀬良は試合後、「ヒットはたまたま。(岡田)明丈や(中村)祐太が頑張っているので負けられない」と後輩からの刺激を口にした。偶然か、岡田(4勝)、中村祐(3勝)、大瀬良(5勝)と広島の勝ち頭3投手は、打撃でも結果を残している。

 現在、広島の首位快走に、投手の打力も少しばかり貢献してきた。赤ヘルに染みつく勝利への執念。それは、バットを握った投手からも読み取れる。(記者コラム・河合 洋介)

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