阪神・高橋遥　度胸満点２勝　内角エグった！自己最長７回２／３、１失点

セ・リーグ   阪神２―１中日 （ 2018年5月18日    ナゴヤＤ ）

＜神・中＞２勝目を挙げ、ファンの声援に照れ笑いを浮かべて応える高橋遥
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　持てる力を出し切り、阪神・高橋遥の表情には充実感がにじんだ。強気に腕を振ったプロ入り最多の１０３球に新たな可能性が広がった。

　「甘くなるぐらいだったら、四球になった方が良いと思った」

　最大の見せ場だった。２―１の８回２死三塁で迎えたのはアルモンテ。前の打席で左翼へ二塁打を浴びていた。勝負を避けること、継投も考えられた場面。託された命運を、暗転させるわけにはいかなかった。

　オール直球勝負を挑んで、最後は７球目の内角球が外れて四球となると、マウンドで飛び跳ねるように悔しさをあらわにした。交代を告げられてベンチへ下がる背番号２９には、中日ファンからも拍手が送られる異例の光景。この夜の主役が、誰であったかを物語った。

　「ホームランは自分の失投で仕方ないと思って粘り強くいけた」

　３回１死から大野奨に左翼へ先制ソロを被弾しても、引きずることはなかった。「自分の課題だったので。梅野さんの要求通りに投げられた」と生命線と言える右打者の内角へのクロスファイアを連発し、ねじ伏せた。

　入団直後からプロをもうならせる球威とキレを誇る唯一無二の直球。西武にトレード移籍し４勝をマークしている榎田も「キャッチボールをしたんですが、あいつの直球は球威も凄いですが“汚い”んですよね。普通の軌道ではなくて、揺れるように来るので」と虎で受けた“最後の衝撃”を振り返っていた。

　プロ入り最長７回２／３を１失点と堂々たる投球で４月１１日の広島戦以来となる２勝目。金本監督は「右打者のインサイドを突けていたね。欲を言えば、インサイドのスライダーで空振りを取るとかできたら、エースでしょう。左打者の時も、もっと突っ込めるくらいの（攻めを）ね」と「エース」という言葉を使いさらなる成長を求めた。

　「今までの試合で今日が一番良かった」。大きな自信が、２２歳を高みへと突き上げそうだ。（遠藤　礼）