元オリックス・奥浪、関メディ学院でのプレーに感謝

[ 2018年5月17日 20:13 ]

第1代表決定トーナメント1回戦   大阪ガス12―1関メディ学院 ( 2018年5月17日    わかさスタジアム京都 )

「4番・三塁」で出場した関メディ学院・奥浪鏡内野手
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 第89回都市対抗野球大会(7月13日開幕、東京ドーム)の2次予選は、全国の先陣を切って近畿地区で開幕した。2球場で1回戦4試合があり、2年ぶりの本戦出場を目指す大阪ガスは12―1で関メディ学院に逆転勝ち。ニチダイは12―2で和歌山箕島球友会を破り2回戦に駒を進めた。

 関メディ学院は初回に1点を先制したが、投手陣が崩れて7回コールド負け。昨季までオリックスでプレーした奥浪鏡内野手(22)は「4番・三塁」で出場して2打数無安打に終わり、守備でも同点を許す適時失策と精彩を欠いた。

 主砲の責任を果たせなかった悔しさが口をついて出た。試合後の奥浪は開口一番に自らのミスを反省した。

 「僕のエラーが全て。精神的にも技術的にも、まだまだもの足りない」

 1―0の2回、先発の園田が3四球で2死満塁のピンチを招いた。大阪ガス・鳥飼の打球は三塁正面へのゴロ。奥浪が捕球して目の前の三塁ベースを踏めばチェンジだったが、グラブの土手に当ててはじき、拾い直そうとした時もファンブルして同点となった。続く青柳の一ゴロも適時失策となり逆転。期待されたバットでは3回1死一塁で遊ゴロ併殺打に倒れるなど2打数無安打に終わった。

 創志学園から13年ドラフト6位でオリックスへ入団。14年のフレッシュ球宴では本塁打を放って優秀選手に輝き、16年6月14日の阪神戦(甲子園)ではプロ初出場初安打を放った。右の長距離砲として期待されたが、昨年5月、運転免許停止中に乗用車を運転して人身事故を起こし、8月に球団との契約を解除された。その後は「野球をするかどうかも迷っていた」という中、11月のプロ野球合同トライアウトを受験。同じ頃に関メディ学院から入団の誘いがあり、年が明けた2月からチームに合流した。今月15日には懲役8月、執行猶予3年の判決が出たばかりだった。

 「受け入れてくださって感謝の思いしかない。(チームに所属して)心のよりどころが出来たのは大きかった」

 安打こそ出なかったが、打席ではプロ時代と同じ豪快なフルスイングを貫いた。視察したオリックスの内匠政博スカウトは、勝敗の分岐点となった失策を引き合いに出し「やってしまったものは仕方ない。それをこれからどう生かすかが大事なこと。社会人は都市対抗に懸けているわけだから、みんなで出場を目指して頑張ってほしい」。現在の境遇を思わせるコメントでエールを送った。

 関メディ学院は敗者復活1回戦に回り、27日にNSBベースボールクラブと対戦する。

 「もう一度、NPB球団に戻れるようにというモチベーションを持ってやっています。来週も試合があるので、もっと練習して体のキレを取り戻したい」

 言葉にはミスを取り返そうという意気込みに満ちていた。

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2018年5月17日のニュース