“粘りの9番”ハム中島 プロ10年目人生2号が逆転満弾

[ 2018年5月13日 09:12 ]

パ・リーグ   日本ハム5―3ソフトバンク ( 2018年5月12日    ヤフオクD )

<ソ・日>2回1死、今季1号となる逆転の満塁弾を放つ中島。投手・バンデンハーク
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 ダイヤモンドをゆっくりと一周するのは小、中、高校時代を合わせても人生2度目。今回は3人も前を走っていた。日本ハム・中島が放った人生初の「スタンドイン」の本塁打は値千金の逆転満塁弾。左翼席の日本ハムファンまでどよめいた。

 「皆さん、びっくりしたと思うけど僕が一番びっくり。だからどうやって打ったのかも覚えてないです」

 清宮もベンチで万歳した9番打者の一発は2点を追う2回に飛び出した。1点差としてなお1死満塁でバンデンハークの内角スライダーを強振。今季1号アーチが右翼席の前列に飛び込んだ。

 16年は12球団で群を抜く759のファウルを放つなど「粘りの9番」として日本一に貢献。ただ投球を手元まで引き付けるため、右翼方向に引っ張る強い打球が少なかった。昨年7月30日に、この日と同じヤフオクドームで通算723試合、史上最も遅い2287打席目でのプロ初本塁打。「柵越えは人生初」と語ったが、着弾点は15年からフェンス手前に設置されたテラス席だった。それから178打席ぶりに出た通算2号。今度はスタンドに届いた。

 節目のプロ10年目。石井一ら若い内野手の台頭も著しいが、堅守を誇る中島の存在は大きい。強い打球を増やすため、カウントによって腰のひねりも大きくしている。日々、近くで試行錯誤する姿を見守っている栗山監督は「良かった。誰より地道に続けてる。感慨深い」と目を細めた。

 「最近、打ててなかったので何とかしたかった」と中島。2位に浮上し、首位の西武に3・5ゲーム差とした。地元の福岡で響かせた快音は首位獲りへの号砲だ。 (山田 忠範)

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2018年5月13日のニュース